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63:↓名無し:23/02/25(土) 17:34:07 ID:3k7F3
奇妙な兄弟
もう60年以上前の話だ。
ある山村に子供の兄弟が居た。
兄はヒロシ。
弟はカツオと言った。
兄弟はいつも二人の間でのみ通じる奇妙な言葉遊びをしていたらしい。
親は不気味だから止めろと言ったが兄弟は全く言う事を聞かない。
ある時、3日間程兄弟が行方不明となった。
村は神隠し騒ぎになったが、4日目の深夜に兄弟が山奥からなにかを担いでやってきた。
それはそれは大きな熊だった。
例の奇妙な言葉で熊を発狂させて殺したのだと言う。
村人は半信半疑だったが、この噂を地元の猟師が聞き付けて試しに猟に同行させた。
兄弟の嘘を見破ってやろうと息巻く猟師を尻目に、兄弟が鹿や狸にあの奇妙な言葉で語り掛けるとすぐさまのたうち回って死んでしまったという。
作者退会会員