この話は私の実体験です。
うちには猫が居ました。
名前は『ミー』です。
ミーは結構おじいちゃんだけどケンカが強くて、ほっぺたの筋肉とかはかちかちでした。
近所でもまず負けなかったと思います。
そんなミーがある日居なくなりました。
2〜3日も家を開ける事は無かったのに…
事情を悟り、一ヶ月くらい経って私は姉とミーの家を片付けました。
姉は泣いていました。
私は姉に『またひょっこり帰って来るよ』と言いました。
それから一ヶ月後のお盆の夜の事です。
うちには犬も飼っていて、名前を『ゴー』といいます。
ゴーは大人しい雑種ですが珍しく吠えました。
ミーがよく登っていた木に向かって吠えていました。
そのあと鎖に繋ぐ時に隙を見て逃げました。
でも、その木の前で立ち止まりまた吠えていました。
『ミーが帰ってきたんだな』と、少し嬉しく思い、その光景をしばらく見ていました。
その晩に私は飲み過ぎて、そのまま仏壇の前で寝ていました。
そして夜中に目が覚めました。
仏壇の部屋はカーテンが無く、外はまだ真っ暗でした。
そして、その時私の体は動きませんでした。
産まれて初めての金縛りでした。
動かそうにも動けず、体に掛けてあるタオルケットがすごく重く感じました。
その時、私の頭上から『ガサガサ』と音が聞こえました。
音は大きくハッキリ聞こえました。私は体をねじって起きる事が出来ました。
そして音の方向を見ると真っ暗の中に猫がハッキリと居ました。
私はミーだと思い声を掛けました。
『ミー?ミー?』
返事は無く猫は動きもしません。
私は怖くなり電気を点けました。
そこには何もありませんでした。
次の日、姉にその事を話しました。
しかし、姉も夜中に起きて、トイレに行った時に仏壇の部屋から『ただいま』と聞こえたとの事でした。
それは俺の寝言だったんかなぁ?
怖い話投稿:ホラーテラー のりくんさん
作者怖話