おばあちゃんから怖い話を聞いた。
昔々・・・我が家に明治時代から代々伝わる家宝の短刀。
実はこれは絶対に抜いてはならない妖刀なのだ。
なぜかと言えば抜いたが最後、おぞましきアヤカシがどこからともなく現れて妖刀を奪って抜いた者を滅多刺しにしてしまうのだと言う。
小学生の時に誘惑に勝てず一度だけこの妖刀を持ち出してしまった事がある。
なぜそんな事をしかたと言えば体育教師の丸上先生とアヤカシとどっちが強いのか試してみたくなったのだ。
丸上先生達が校庭でサッカーを指導いているその時。
隠し持っていた妖刀を抜いた。
うおおおおおおおお
突如として凄まじい奇声が発された!
アヤカシは丸上先生に突進していく。
7メートルはあろうかという鬼が走って来た。
腰を抜かしながらも急いで妖刀を鞘にしまった。
チッ
鬼は舌打ちすると背を向けて校庭から出ていってしまった。
校庭に居た全員がその鬼を目撃した。
そんだけなんだけどね。
オチは無し。
信じて貰えないだろうけどこの体験が全てだからさ。
しばらくはあの鬼は何だったのか大騒ぎだったよ。
それから何故か尾ヒレが付いて丸上先生が撃退した事にされてた。
作者退会会員