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短編2
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一人が怖い

親戚の女の子が、父親に連れられ家に遊びに来た。

この子は母親を数週間前に亡くしていた

今回父親が出張に出てしまうので、数日間うちで預かることになったのだ

環境を変えて元気付けたいとの想いもあったのだろう

人見知りが激しいわけでもなく、特に明るくも暗くもない

ごく普通の女の子だった

母親の死のことで特別ふさぎこんでいる様子もないが、

遊び相手をしているうちにある違和感を感じるようになった

一人になることを異常に怖がるのだ

私がトイレに立ちその間部屋にとりのこされるだけでも異常に怖がる

その嫌がり方は尋常でなく、泣いて私のスネにしがみつくほどだ

私の母親といる時も同じ反応を示すという。

てことは、私と離れることが寂しいからということでもないらしい

空間に孤立しなければ、誰が相手でもいいと思われる。

ますます分からなくなった

学生の身分であるとはいえ、

自分にも予定があるし一日中遊び相手をしているわけにもいかない。

しがみつく女の子をふりほどいて外出するのにも辟易していた

ある日また例によってむずかったので、

今度という今度はと「○○ちゃん、そんなワガママ言ってちゃだめでしょ」と少し強めにたしなめた。

私が無理やりふりほどいてトイレに立とうとしたその時、彼女は泣きじゃくりながら叫んだ

「黒い人がいる」

聞いてみると、その人は最近出現しじっと彼女の傍らに居るという

部屋に一人になると彼女にしか見えない「黒い人」と二人きりになってしまう。

それが耐え難いほどの恐怖だったようだ

後の話によると、

彼女の母親は焼身自殺だったそうだ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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