夜、深い闇に包まれた部屋。彼女は一人で寝ていた。窓から差し込む月明かりが、寝室をかすかに照らしていた。彼女は普段ならば安らかな眠りにつくはずだったが、その夜は何かがおかしい。
彼女の夢は普段と異なり、妄想めいたものに変わっていた。自分が見知らぬ場所にいる。荒れ果てた廃墟の中を一人歩いている。どこからか聞こえてくる不気味な音。足元の砕けたガラスが音を立てながら彼女の足を傷つける。進む先には薄汚れた壁に覆われた部屋が広がっている。
その部屋には古びたテーブルがあり、その上には黒い蝋燭が灯っている。テーブルの上には手書きの古びた手紙が置かれている。彼女は手紙を手に取り、中身を読むと、そこには彼女の過去の出来事や深い秘密が綴られていた。しかしその手紙は彼女が覚えていないであろう出来事や、知られてはならない秘密を暴露していく。
驚きと共に彼女は手紙に縛られるようにして、部屋を出ることができなくなってしまった。次第に夢の中で彼女は不安と恐怖に取り込まれていく。手紙には彼女の心の奥底に潜む妄想が次第に具現化され、現実と夢の狭間で揺れていく。
そして彼女は夢の中で次第に自分が支配され、操られているような感覚に襲われる。夢の中での彼女はもはや自分ではなく、何かに操られている存在へと変わり果てていた。
突如、彼女は目が覚めた。暗闇の中で息を荒くする彼女。しかし、驚くことに、夢の中での妄想が現実に引き摺り込まれていた。手紙に縛られていたはずの彼女は、ベッドに縛られている自分を見つけた。
彼女のまわりには夢の中で見た廃墟のような部屋が広がっていた。そして、テーブルの上には黒い蝋燭が灯り、手紙が置かれていた。彼女は手紙を読むと、そこには今度は現実の出来事や秘密が綴られていた。
彼女は絶望と共に、妄想が現実に侵食されていくことを実感した。彼女が夢と現実の狭間で揺れ動く中、手紙によって綴られた妄想の世界がますます彼女を飲み込んでいく。
作者ろーずまりぃ
女性が見た夢の中で、不気味な手紙に縛られ、恐怖に取り込まれてしまいます。
目が覚めると、夢の廃墟が現実になり、同じ手紙が現れます。
夢と現実が交錯し、手紙が彼女を取り込んでいく、といった展開の怖い話でした。