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短編1
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或る寒い日

寒い日が続いていました。寒くて寒くて、霜焼けした足の小指が赤紫に変わってから何日過ぎたのか覚えていません。しばらく痛痒かった感覚もなくなり、じんじんと痺れる痛さもなくなり、ずきんずきんと痛んだその後は、もう何にも感じなくなってしまいました。そういえば、手の指先も同じように感じなくなっていった気がします。でも、もうわかりません。

喉が渇いていても、唇が痛くて落ちてくる水滴は苦痛でしかありませんでした。痛いということがこんなにも自分の考えを支配してしまうとは思っていなかったのに、その痛みがなくなった後は、ただそこに在るというだけで、むしろ暖かさを見つけようとしていたのかもしれません。ここはどこなのでしょう。太陽がやさしく照りつけています。

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