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これは音楽をやっていた時、イベントの打ち上げの時に知り合った方から聞いた話です。
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木村さん(仮名)が大学時代、オカルトサークルに所属されていて、そんな彼が三年生の時に体験した話になります。
木村さんが三年生の時の部長さんがちょっとやる気がある?方で、「今度の文化祭はいつもと違う事をやろう。」と、提案をしてきました。
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いつもは心霊スポットに行った時の映像を編集してその映像の上映会や、写真などを使ってスライドを流しながら解説をするみたいな事をやっていたそうなのですが、今年は一つテーマを決めてその結果を発表してはどうかという提案でした。
特に反対意見もなくて、どんなテーマでやろうって話になりました。
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いろいろと案が出たそうですが、最終的に決まったのは神社やお寺とかにあるいわくがある物、今で言うところの呪物を調査しようと言うことに決定しました。
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調査のやり方は先ずは片っ端から神社やお寺に電話で連絡をして聞き込みをして、いわく付きの物がある時取材をさせてもらえるかの有無の確認をして、取材が決定した場合は2~3人で機材を持ち込んで取材をするという流れでした。
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そこまで話を聞いた時に「どんな物があったんですか?」と木村さんに質問をしました。
一番多かったのはやっぱり写真と人形が多かったとの事です。
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ただ、この2つは話だけでほとんど物がなかったとの事で、何故かと言うと写真はその場で、人形も定期的にお炊き上げしてしまうため物がないんだそうです。
他に多かったのはアクセサリーや人の形が現れた石や板、あと戦争に関わる物とかも多かったと言っていました。
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順調に取材が進んでいた時に、大学から1時間半くらいにある神社に電話をしてみたところ、ちょっと変わった物があるとの事で、その週の日曜日に取材に行く事が決まり、木村さんと、部長さん、後輩のA君がその神社に行く事になりました。
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そして当日になり3人はその神社に向かいます。
神社に着いた3人は社務所で取材の事を伝えると、奥の割りと広い座敷に通され案内の方に「神主さんを呼んで来るので少しお待ちください。」との事。
待っている間に機材のセッティング等をしていると神主さんが3つの箱を持って部屋に入って来ました。
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部長さんが代表して、挨拶や取材を受けてもらえた事の感謝などを話したあと、さっそく取材が始まりました。
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先ずは、この神社についての話など決まったやり取りをしたのちに、よいよこの神社にあるいわく付きの物を紹介してもらう事になりました。
神主さんが先ほど持ってきた3つの箱を並べフタを開けたところ、そこに入っていたものは能面でした。
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見た感じは、良く見た事がある無表情?な感じの能面で、3枚のうち2枚は比較的に綺麗な感じで、1枚はかなり古い感じの物をだったそうです。
部長さんが「これにはどんないわくがあるのですか?」と神主さんに質問したところなかなか興味深い話を聞けたとの事でした。
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神主さんの話では「この神社は定期的に能会をおこなっていて、その関係で能面師?(能面を作る人)と知り合いで、この能面はその方から預かっている」との事です。
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その能面師の方の話では、面を作っていると何枚かに1枚は表情が悪い物が出来てしまうそうで(木村さん的には人形とかで言われる人の魂、悪い霊とかが憑くという事かなぁ?と考察していました。)
そうゆう面が出来た時はその面は破棄しないで、神社に預けるんだそうです。
神社とかの聖域、神域に置いておくと徐々に表情がやわらいでいくそうで、早いやつだと1~2ヶ月、長いと半年、1年ほどで穏やかな表情に変わると能面師さんが言っており、定期的に能面師の方が確認に来てるって話でした。
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神主さんの話では、おそらくその人独自のやり方じゃないかなぁ?とか、普通の人では面の違いは分からない等の話も聞けたそうです。
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木村さんも実際に見た感じでは、確かに分からなかったとの事でした。
ただ、3枚の内1枚だけ古い面あったのがが気になったので「この面だけ古い感じですが、この面も同じもの何ですか?」と質問したそうです。
その質問を聞いた神主さんが「実はこの1枚だけはちょっと違うみたいなんですよねぇ」と言いました。
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神主さんの話では、自分は最近この神社に来たばかりなので、まだ前の神主さんから全部引き継ぎされてないそうで、この面の話も詳しい事は聞いてないんですよぉ…との事。
ただ、どうも呪術に使われた物みたいで先々代の神主さんが頼まれたとの話しで、良くないものだから取り扱いには充分気を付けて欲しいと、言われている物だそうです。
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噂では、これを使って能を舞った能楽師さんが血を吐いて倒れて亡くなったと言う逸話もあるとかで、面の裏側が黒くなっているのはカビや漆塗りとかではなくて、その時の血で黒くなっていると言う逸話があるとの事です。
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ここまで話を聞いて「これは…大丈夫なんですか?」と不安な感じで聞いたところ、「おそらく大丈夫だと思いますよ」「普段は箱に納めて他の面とは別に安置してありますが、ついこの前お祭りの時に出して飾ったりしたこともあるし、その時に自分も触りましたが特に何もありませんでしたから」と言われ、さらにもし興味あれば触って裏面とかも確認しても大丈夫との事だったので、最初は恐る恐る触って確認させてもらい、その後写真撮影もおこないました。
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そして帰り際に神主さんの方から、「近々能面師さんが来る予定があるので、もしかしたらその方が古い能面について詳しい話を知ってるかも知れないので、何か分かったらまた連絡しますよぉ」と言われたので、「お願いします」と伝えたあと取材のお礼もして無事に取材が終わりました。
その後、3人はご飯に行ったりや少し観光とかをして帰宅したそうです。
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次の日になり、授業が終わったあと部室に集まり昨日行った取材の整理を3人でおこなっていた時、部員のS君が「お疲れ様でーす」と元気な挨拶で入ってきました。
先輩や自分も「おー!」とか「お疲れー!」みたいな感じで返事を返したのですが、その後のS君の反応がおかしいんです。
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こちらを見て驚いているとか、ちょっと怯えているとかの表情をしているんです。
そして「何ですかそれ?」「昨日何かしたんですか?」「どこか行ったんですか?」とかいろいろ聞いてくるんです。
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このS君、霊感がある人でその彼がそんな事を言っているから「えっ!ヤバいもの憑いてる?」とすぐに思ったそうで、昨日の話を恐る恐る説明していたら、いつの間にか入ってきたもう一人の霊感持ちのBさんと言う女の子が、こちらをS君と同じ表情をして見ていました。
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それに気付いた一人がBさんに「どうしたの?」と聞いたところBさんもS君と同じく「先輩、何ですかそれ?」と質問をしてくるのです。
その質問の最中、急にBさんが「私無理です!帰ります!」と言い、その場から逃げるように出て行ってしまいました。
そしてそれと同じタイミングでS君も「お、俺も無理です!明日また来るので、明日次第ではお祓い行った方が良いです」と言い残してS君も逃げるように出て行ってしまいました。
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そのやり取りを見ていた他の部員達がまるで、ホラー映画でヤバいウイルスや、ヤバいエイリアンに寄生された人を見るような表情を3人に向けているのが今でも忘れられないとの事でした。
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流石にこんな状況ではサークルの活動を続けられないのでその日は解散したそうですが、木村さんの話ではその日はめちゃくちゃ怖い一夜を過ごしたとの事だそうです。
次の日も「何に取り憑かれてるの?」というので頭がいっぱいでしたが、外せない大学の授業があったのでそんな気持ちのまま授業を受けて日中は過ごしたそうです。
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そして放課後、サークルの部室に向かいました。
部室に入ると、既に部長とA君とS君がいて、S君がこちらを見てちょっと安心した感じで「木村も大丈夫だと思います」と言ってきました。
そして「昨日は何が見えたの?」と質問したのですが最初S君は「知らない方が良いですよ」と言って教えてくれませんでしたが、「大丈夫だから!」と言うと渋々教えてくれました。
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昨日S君が部室入ってきて3人を見ると黒い煙のようなものが纏わり付いていて、しかもその煙の中に無数の目が虚ろな感じいろいろな方向を見ていたそうです。
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「えっ!何あれ?」と思い、とても怖かったのですが我慢して3人に聞いたとの事でした。
そして3人と会話してると、Bさんが入ってきて自分と同じ質問をしている時に、急にさっきまで虚ろな目で別々の方向を見ていた目が、一斉にBさんの方に向いたそうです。
Bさんにはまだ確認とってないけど、恐らく同じものが見えて逃げ出したんだと思うとの事。
そしてその光景を見たS君も限界だったみたいでその場から逃げ出したとの事でした。
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今はまだ黒い煙みたいなものは纏わり付いているんですが、虚ろな目は消えていて煙の方も少し薄くなっているのでたぶん数日で消えると思います、と言っていました。
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その後何人か他の部員も入ってきて皆で話し合いをしたのですが、恐らく古い能面が原因ではないかと思うとか、これは流石に文化祭には紹介出来ないからお蔵にしようとかの話をしたとの事です。
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ちなみにS君に、神社で撮った写真を見せて確認してもらおうとしたら断固拒否したそうです。
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そんな事があった数日後に例の神社の神主さんから部長さんの所に連絡が来ました。
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軽く挨拶を交わしたすぐに「この前来られたあと、何かありませんでしたか?」「大丈夫でしたか?」と聞いてきたそうで、部長が帰って来た後の出来事を神主さんに伝えると、「大変申し訳ありません。」と謝まってきました。
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神主さんの話では、能面の様子を見に来た能面師さんにこの前の話したら「えっ!あれ触らせたの!あれはダメだよ!」と怒られてしまったそうで、さらに「あの古い面について詳しく聞いて色々と分かった事があるので、もしまたこちらに来られる事があればお祓いもかねてお立ち寄りください」との事でした。
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それを他の部員に話し、今度は猛烈に嫌がるS君も連れて追加取材としてまた神社の方に行く事になったそうです。
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当日になり、さらに嫌がるS君を車に押し込めて出発して神社に着きました。
前回同様に社務所に行き、受け付けの方に取材の話をすると、「聞いております。本殿の方でお待ちください。」と言われ本殿の方に案内されたそうです。
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本殿の方でしばらく待っていると、正装された神主さんともう一人年配の男の人が入ってきました。
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年配の男性の方は横によけて本殿の端の方に行き、神主さんはこちらに来て「前回は本当にすみませんでした。これからお祓いをするのでしばらくお付きあいください」との事で、お祓いが始まりました。
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無事にお祓いが終わり、「お祓いの方は無事に終了したので、前回待って頂いた座敷の方で少しお待ちください」との事で、4人で座敷の方に向かい中で待っていました。
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神主さんを待っている間に取材の準備をしていると、箱を一つ持った神主さんと先ほどの年配の方が部屋に入ってきました。
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そして改めて「あの時は本当に申し訳ありません」と神主さんは深々とお辞儀をされました。
「いえいえ!もう大丈夫なんで!」みたいなやり取りをして、部長さんが「それでこちらの方はどなた何ですか?」と聞きました。
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そうすると神主さんの方から「こちらの方は以前話した能面師さんの○○さんです(名前は忘れてしまったそうです)」
「今日皆様が来られるとの事なので、多分自分よりも詳しいと思うので頼んで来てもらいました」との事でした。
その後、軽く能面師さんと挨拶を交わした後、古い能面について聞くことになりました。
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ここからは能面師さんから聞いた話だそうです。
前任の神主さんとは仲が良くて、前任の方から少し詳しい話は聞いているけど、流石に細かいところまでは分からないのでそれは了承して聞いて欲しいとの事。
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何でも話は前々任の神主さんの頃にさかのぼる話で、「この面はその時に持ち込まれたと聞いています。」と言い、先ほど神主さんが持ってきた箱を見ていました。
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この能面を持ち込まれた方というのが、どこかで会社の社長をやられていることで、お金の方も余裕がある方だったみたいです。
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そしてその社長さん、骨董が趣味だったんですが…、普通の骨董ではなくて、いわく付きの物(今の言い方をすると呪物)をコレクションしていたとの事です。
何でも人と違う物が好きとか、人をビックリさせたいとかの理由みたいです。
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そんな時に知り合いの骨董屋さんから「あんたこういう物好きでしょ?ちょっと買ってもらいたい、なんなら貰ってもらいたい物があるんだけど」と連絡がありました。
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気になって見に行った所、そこにあったのがこの古い能面でした。
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骨董屋さんの話では、知り合いから押し付けられるように回ってきて、気味が悪いのですぐに手放したいと思い社長さんの事を思い出し連絡をしたそうです。
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さらに前の持ち主の話ではこの能面、いつの時代の物か、元々誰の物か、全く分からないとの事で、ただ一つ伝わってる話がありそれが、呪術に使うために作られた物らしい?との事でした。
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そして、その伝わってる作り方と言うのが、とても信じてられないような恐ろしいやり方をするとの事です。
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先ずは、浮浪者や物乞いの人をさらってきて身体を拘束して、能面の裏面に揮発性の毒を塗って拘束した人にかぶせたあと、徐々に毒が効いてくるのを待ちます。
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毒が効いてきて暴れ出しても、すぐには殺さないで出来るだけ苦しませて殺すんだそうです。
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それを一人だけではなくて、何人もさらって来ては同じ事を繰り返し、呪いがたまるまでやり続けるとの事。
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そして出来上がったのがこの古い能面で、裏面が黒くなっているのは劣化や毒で黒くなっているのではなくて何人もの血を吸い込んで黒くなっている、と言っていました。
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そこまで聞いて、「これ…、どうやって使うの?」と社長さんが骨董屋さんに聞いたそうですが、それは全く伝わっていないし、実際に使われたのかも分からないとの事です。
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普通だったらそんな物、怖くて「いらない!」と拒否しそうなものですが、その社長さん物凄く気に入ってしまって安く買い取ったとの事でした。
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余程気に入ったのかその後、社長が座る椅子の上辺りに飾ってしまうんですが、それが良くなかった。
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一週間も経たずにそこで働いていた従業員が体調不良でバタバタ倒れていき、仕事どころではなくなってしまったそうです。
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さらに、会社の横に自宅があっり、よく社長さんの子供が会社に来ていたのですが、その子供さんが会社に来た時に突然泡を吹いて失禁して倒れてしまい、すぐに病院に運ばれて命はギリギリ助かったそうなのですが、障害が少し残ってしまう状態になってしまったとの事です。
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流石にこれはヤバいと思いすぐに能面を箱に戻して、すぐにお祓いに持って行ったのですが、どこの神社、お寺に持って行っても断られてしまったそうで、その間に本人も体調が悪くなってしまいみるみる痩せこけてしまったそうです。
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この神社に持って来たのも、噂や紹介とかではなくて持って行く場所がなくて、藁にもすがるつもりで来たとの事でした。
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その時の神主さんは、霊感とかはなかったので面を見ても何も分からなかったのですが、話の内容や目の前に大金積んで土下座して「お願いします!お願いします!」という社長さんの姿を見て「これ本物なんだな!」と思ったそうです。
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最初、流石に恐いので断ろうと思ったんですが、自業自得とはいえこんなに惨めに頼みこんでる姿を見てかわいそうになってしまい、「分かりました!とりあえずお預かりして知り合いに聞いてみます。ただ、こちらの方でも対処出来ない場合はお返ししますがそれで良いですか?」と条件付きで受けました。
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その時に社長さんの住所や、電話番号などの連絡先を教えてもらい帰りの際は「お願いします!お願いします!」と深くお辞儀をされて社長さんは帰って行きました。
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その日のうちに知り合いの霊感があると言う神主さんに連絡をとり、次の日にその面を見せに行ったのですが…。
その方に見せる前から「あんた何を持ってきたの?」と、あからさまに嫌な顔をしており、さらに能面が入った箱の蓋を開けたところ「あんた人が良いにも程がある!こんなの能面じゃないよ。まるで鬼や般若の生首だよ!こんなの誰にも祓えないからすぐに返してきなさい!」と怒るような口調で言われてしまいました。
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慌てて社長さんに教えてもらった電話番号に連絡しましたが、ウソ…。
住所の方も調べたのですかこれもウソだったそうで、先々代の神主さんは途方にくれてしまい、また霊感のある神主さんにその事を伝えてどうしたもんか?と相談したそうです。
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少しその方からお説教を受けたあとに、とりあえず箱に封印をして、神社の一番神聖な場合の近くに置いて、毎日お祓いをしなさい!と指示を受け、その間に自分の方の知り合いに聞いてお祓いの方法がないか聞いてみると言ってきました。
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そのときに「あんた最悪命取られる可能性あるから覚悟はしてね」と脅されたみたいです。
言われた通り必死にお祓いをして2週間くらい過ぎた時に、霊感持ちの神主さんからお祓いの方法が見つかったと連絡がありました。
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そしてその神主さんが直接きて以下の事を伝えてきました。
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先ずは神社の敷地内にその能面を納めるほこらを作って中に入れる。
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その後お祓いを毎日するのだけどお祓いというよりも鎮める的な事をする。
例えるなら菅原道真や平将門を祭るみたいに、神様として奉って上げるんだそうです。
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そして何年かかるか分からないけど、外に出しても良いレベル(少し見たくらいでは大丈夫なくらい)まで落ちた時に今度は人が多く集まるお祭り等の時に外に出して飾るとの事。
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そこで何をするのかと言うと、外に飾って呪いを参拝した人に持って帰ってもらうんだそうです。
少しだけなら体調には問題ないとの事で、霊感ある方でも少し気分が悪くなる程度で問題はないとの事です。
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それをさらに何年か続けて力を弱めて始めてお祓いが出来ると言われたみたいです。
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以上が霊感持ちの神主から言われた事だったそうで、今は外に出して人に憑けるという段階の途中との事です。
「これが前任の神主さんから聞いた話だよ」と能面師さんは言われました。
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続けて、「自分も興味が出て見せてもらったけど、これは面じゃないね…、まだまだ時間かかるよ」と能面師さんは言っていました。
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最後に「これは前任の神主さんがその時に聞いた話で、本当かどうか分からないけど、神社やお寺にある何年かに公開される秘仏とかあるけど、その中にはこの面みたいに呪いを移す目的で公開される物もあると言っていたから、あんた達も気を付けなさい。」と能面師さんに言われました。
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帰り際神主さんから「気を付けてくださいね。」と言われ気休めかも知れませんがと、お守りもいただいて、取材が終わったそうです。
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帰りの車中、S君に「どうだった?」と感想を聞いたら「中身はみてないけどヤバかったですよ。鳥肌止まらなかったです。」
「みんなについてた黒い煙が箱の隙間から漏れてましたから。あの能面師さんが言ってたようにまだまだダメなんじゃないですかねぇ」と言っていました。
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ここからは後日談になります。
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結局、文化祭の時は古い能面の部分ははすべてお蔵になったそうで、他の2枚の能面については神社の方の意向で神社の名前を伏せて紹介したとの事です。
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あと自分の方から木村さんに「その後は何かなかったんですか?お話ではけっこうヤバいやつ憑いてたみたいですけど?」的な事を聞いたのですが、その後は特に何も起きなかったと言ってました。
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木村さん達もこの取材のあとに心配になってS君に「この後、俺達大丈夫かなぁ?」聞いてみたら次のように彼は言ってたそうです。
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その時のS君の話では「大丈夫だと思いますよ。今はもう黒い煙りは憑いてないですし。」
さらに「自分でも何故かは良く分からないので、これはあくまでも自分の考えなんですけど…」と前置きを置いた後、「たぶん木村や先輩達は運が良かったんだと思いますよ。」と彼は言いました。
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続けてS君は、「面を触った場所が社務所とはいえ神社の敷地内だったのと、触った時間も短かったみたいだし、あともう1つ言えばみんな鈍感だったのも良かったんだと思いますよ。
たぶん知らずに自分やBちゃん(話の中盤に出てきたサークルの女の子)みたいに霊感ある人が触れていたら少し大変だったと思います」と言っていました。
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以上が木村さんから聞いたお話になります。
本編の最後にも書きましたが、その後は先輩や木村の身に何か起きたと言う事はなかったとの事です。
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ただ、この話を聞いた昨年に昔のサークルのメンバーで、この神社のお祭りを見に行ったそうですが、能面飾られていたとの事でした。
この話を聞いて15年以上経ちますが、まだこの能面は飾られているのですかねぇ?
皆様も神社のお祭りに行く際はお気をつけください。
終わり。
作者しんいち
読んで頂いてありがとうございます。
この話は15年前に吹奏楽をやっていた頃に知り合った男性から聞いた話になります。
多少脚色はしてありますが、内容的には、こんな感じの話でした。
面白かったら評価のほどお願いいたします。