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中編5
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マッチ売りの〇〇

これは僕が二度と体験したくないお話。

その日は残業もあって終電ぎりぎりで帰ることになってしまった。

「はあ、なんでこんなにも遅くまで仕事あかんねん」と愚痴をこぼしながら帰路につく。

コンビニにより夜ご飯とビールを買ったらあとは電車に乗って帰るだけ。

帰り道は地下鉄なので大阪の人ならわかると思うが梅田とか難波とかには地下の電車に行くために結構歩かなければならない場所も多くある。

この時間になると終電に乗るためにも結構な人もいる。スーツを着て疲れてる人を見て疲れたよなーとか謎の共感を心の中でした。

いつも通り電車に乗る。最寄りには一本で行ける終点なので座って目的地に着くまでのんびりだ。

まあ、この時間に電車に乗っているのは酔っ払い、仕事帰り、大学生の遊び終わりといろいろいる。

今回は人は少なく僕の乗っている車両には2、3人程度。珍しく結構少ない。いつもなら、10人ほどいるはずだ。今回は人が少ない。別にこんなことがないわけでもないから

「お、今日は少ないやん」とか少ないし嬉しさもあった。

電車に座って動き出した電車の窓の外をぼーとながめる。

「次は○○〇〇駅~、○○〇〇駅です。」

ぼーとしていたので駅員が何を言っているのか聞きそびれた。

よくあるよなーなんて思いながらドアが開く外の景色的にも見たこともなく終点ではないのでまだだなとか思いながら、ぼーと外の景色を眺める。

一本道の通路に手前に改札があるような駅でちょうど改札入り口が見えていたので何も考えず眺めている。

すると奥から人が走ってくる。

あー終電やしそら走るよなーとか考え、がんばれ!あともうちょいとか思ってました。

走ってる人見たらどことなく目で追いませんか?僕はそういうの見るタイプで別に何も思っていませんがなんとなく見る人なんですよね。気になるというかなんというか。

ああ走ってた人はですか?。男の人でしたよ。ちょうどホームに到着したあたりでドア閉じちゃって乗れなかったんですよ。「いや、駅員さん入れたりーや」とか思いましたね(笑)

そのまま電車が走りだして男の人はホームで立ってる。そしたら目が合った気がしたんですね。気がね。

男はそのまま僕を見ながらぶつぶつ何かゆっている。

「こいつなんやねん」

と不気味さも相まって威嚇のようにメンチを切るとそいつドアに向かって走り出したんですよ。

当然ドアにもあたってるし「ドンッ」と鈍い音が車内に広がる。

一緒にいた社内の人もその音で音の方向をみる。こいつやばとか思いながら電車が動く。

その時に男の顔がはっきりと見えた瞬間、鳥肌が全身に出てくる。

その男目が白目だったんです。

でずっと僕の方に顔を電車に押し当てながら僕の方を見る。

ふつうはめがないーとかなんですけど目はついていて白目。想像したら不気味ですよね笑 白目の男がドアにゆっくり動く電車に引っ付いてる。

そしたらその男ドア越しからでも聞こえる声で「よこせ!!!」

とか言っている。

まるで何かにすがっているように。内心ビビりましたね。

電車が速くなって男の姿が見えなくなる。電車の動いている音だけが聞こえる。

「マッチ.....いりません..ヵ..か?」

全身に寒気がする。

男の行動には鳥肌が立ったがこの声を聴いた瞬間に寒気と悪寒がした。

いきなりのことで全身が固まる。

「マッチ.....いりません..ヵ..か?」

もう一度聞かれる。意味がわからない。マッチ?何をゆってるんや。あまりにも突然。なんの前触れもなくそいつの声がする。

電車のガラスにゆっくりと目をやる。この時にガラスに目をやったのをほめてほしいとまで思った。ガラスには何も写っていなかった。

「マッチ.....いりません..ヵ..か?」また聞かれる聞こえないふりをするのがよかったのかわかりませんがその時に「いッいりません、」小さい声で答えた。

その答えがあっていたのだろうか。右側にあった思い感覚がふっと消えた。全身から汗がにじみ出る。呼吸が浅かったのだろう「はあッはあ」

息が切れていたそれほどまでに先ほどの空気がおもかったのだ。

「次はー△△△△駅、△△△△駅です」

終点の一つ前の場所まで来た時です。社内残っていた人二人が一緒に出ていきました。

残ったのは僕一人。

その二人はドアの前に立って駅についてドアが開くのを待っている。

その時に立っている二人の手には赤い小さな箱を持っていた。マッチの箱は見たことありませんか?その小さな箱を持っているのです。

そのマッチの箱をポケットに入れることなく大事そうに握っていましたね。

それの言葉が頭によぎる。

あのマッチいりませんかという。意味の分からないフレーズ。あの二人はマッチを受けっとってしまったのだろうか。そんな気がした。

ドアが開くと二人は出ていくゆっくりと電車から降りていく。

「ぽと」

小さい何かが足元でなった。目をやるとそこには薄汚れ黄ばんだのマッチの箱。でも人が握ったであろう箱にはへこみがあった。

「あげる」

あの声が聞こえた。ドアが閉まる。

その時顔を上げれなかったんですよね。電車が動き出し最寄りに電車が止まるそこからは記憶が薄い。

気が付いたら家の前だったですよ。家についてベットの中で震えてましたね笑

気が付いたら朝になってて、ほんとにトラウマ級の思いをしました。

その日も会社があったので会社に向かいました。あの夜、男が走ってきたあの一本道の駅は無く存在していませんでした。

あの駅は何だったのでしょうか。そしてあの時の声も何だったのでしょう。「マッチいりませんか?」あの全身に悪寒がした経験はこれまで初めてでした。

今でも感覚は覚えています。トラウマ級ですからそんなに早く消えるわけでもないんですけどね(笑)

あのマッチを受けとった人はどうなったかはわかりませんし関わりたくもないですね。

このままないもないことを祈るばかりです。

皆さんはそれの正体は少女を想像しましたか?マッチ売りの少女と呼ばれる本があるのですからそう考える方もいるかもしれません。しかしあの時の声は僕の声でした。とても不思議でしょ。あれは声をかけたものの形、声を借りて話かけてくるのかもしれませんね。

Concrete
コメント怖い
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全部読んで、とても感動しました。もっと記事を読んでいただければ幸いです。
ragdoll hit

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