この話は心霊話ではなく、幽霊等は出てきません。
ある日私に彼女が出来た。私は彼女の少し幼稚で、かわいらしい性格に惚れた。お互いに一目惚れだった。
暫くは同居していたのだが、変化は突然訪れた。
その日、私達は私の家で、いつもどうり二人で一緒に料理をしていた。
暫くは、楽しく料理をしていたのだが、彼女が突然真顔になり、
『貴方誰ですか?』
と聞いて来た。
私は彼女が冗談を言っているのかと思ったが、彼女の真剣な顔を見ると、それは無いと思った。
私が慌ててる間も、彼女は
『ここは何処なの?』
『何故私は知らない貴方と料理をしてるの?』
などと質問責めにしてきた。
あとで落ち着いた後に話を聞くと、どうやら彼女はニ重人格だったのだ。
新しく出て来た性格は、私の知ってる彼女と全く違い、厳しい性格だった。
聞くと彼女は、幼い頃、親から酷い虐待をうけ、知らないうちに彼女は嫌なことを受け入れないようになって、明るい性格になった。その明るい性格の彼女は、昔から嫌な事から目を背けているので、嫌な事何一つ知らない。
それを守る為に性格の厳しい彼女が生まれた。
性格の厳しい彼女は、明るい性格が目を背けた事実をすべて背負っているので、誰にも負けない強い性格だ。
私は彼女と別れることは、しなかった。
彼女と別れると、また明るい彼女が現実逃避をするかもしれないし、長く付き合ってる内に厳しい彼女も含めて好きになったから。
しかし、問題が起きてしまった。
厳しい性格の彼女が、明るい性格の彼女に嫉妬してしまった。
私は悩みに悩んである決断をした。
『彼女の性格を一つにしてしまおう。』
しかし、それは、一つの性格が消えることなる。それは私にとっては、
[どちらかが死ぬ]
ということと思えた。
そんな中、口を開いたのは、厳しい方だった。
『私は守る為に生まれたんだから消えるのも私だよ』
厳しい方の顔は寂しげだった。
性格を一つにする方法は、明るい方が目を背けて来た事実を教えるという方法だ。
明るい性格の彼女に事実を教えることは、困難を極めた。
私が事実を教えると、明るい方は大泣きしながら、厳しい方に変わろうとした。そして厳しい方に明るい方を出して、とお願いする。その繰り返しだった。
私は根気よく繰り返した。
そして、明るい方もだいぶ強くなり、厳しい方の最後の夜を迎えた。
『彼女が寝ると厳しい方が消える。』
それが分かってたので、私は彼女が寝る直前まで、色々話した。
彼女がウトウトし始めた。私は泣きながら色々話した。私に一度も涙を見せなかった厳しい性格の彼女も泣いていた。
そして厳しい方は、
『有り難う。本当に有り難う。』
そういって彼女は深い眠りについてしまった。
次の朝、彼女は目が覚めた。可愛い所もあるが厳しいところもある。
私達は結婚も考えたが、結局わかれてしまった。
明るい方は疑う事を知ったので、あまり上手くいかず、別れてしまった。(浮気はしてません)
最近の男は、二重人格の彼女に出会うと別れてしまうひともいるが、私は諦めずに根気よく二重人格をなおしてほしいと思う。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話