短編2
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あかとんぼ?

まったく怖くないです。すみません。

何年か前の休日の朝。

いつもより遅く目が覚めたものの、起き上がる気にならず、しばらく布団の中にいました。

うつ伏せで、マンガ読んだりメール打ったりしながら約一時間。

お腹も空いたし、もう眠くもないし、起きようかと寝返ったら、天井の角に、赤いとんぼがいました。

見たことの無い、赤一色のとんぼでした。白い壁を背景にして、真っ赤な胴体や、赤い網目模様が入った透明な翅がはっきり見えて、とても綺麗でした。しばらく、みとれました。

ただ、でかかった…。 オニヤンマの1.5倍くらい。色からしてオニヤンマではなく、珍しい種類かも知れないし、でも、いくら綺麗でも部屋の中にムシがいるのは嫌だし、とにかくヤツを追い出そうと思いました。

枕元に置いていた眼鏡をかけて、同じ所に目をやったら、もうそこにヤツはいませんでした。

部屋の中を飛んでいるわけもなく、文字通り、消えている。

窓は全部閉まっているし、どこかのすみっこで干からびて死なれても嫌だし、狭いアパートの中を探し回ったのですが、見付かりませんでした。

寝起きすぐならともかく、意識ははっきりしていましたし、ねぼけるような状態ではありませんでした。

一体何だったのか今でも不思議です。…幻覚?目を開けて寝てたのか自分?

一番不思議なのは、裸眼でくっきり見えたこと。

視力0.04なので、眼鏡無しでは30センチ先もぼやけます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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