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短編2
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わんっ

あなたのお家に犬はいますか?

私の家にはいます

とってもカワイイわんちゃんで

すごく可愛がっています

わんっ

ってよく吠えます

ずぅっと私の傍にいます

トイレに行く時も

寝る時も

ご飯を食べる時も

そんなわんちゃんが

しんでしまいました

ずっと傍に居てくれた

私のカワイイ可愛いわんちゃん

散歩の途中でした

ひき逃げで…

ぼーっとしてたんです

わたし

わんちゃんが

逃げたの

久しぶりの散歩だから興奮して

手綱をしっかり持っていなかったの

私の手から

わんちゃんが離れていって

そのまま

『キキーッ』

『ぐち』

って

車は一度止まって

運転手が私に近づいてくるのが見えました

私は

夢中でわんちゃんにかけよったけど…

潰れてて

血まみれで

どうしていいかわからなくて

そしたらいきなり

気を失いました

目の前が真っ暗になって

気付いたら

たくさんの犬と戯れていました

すごく楽しくて

楽しくて

永遠に続けばいいと思いました

そしたら

後ろの方で

『わんっ』

って…

何かなって

見たら

私のわんちゃんでした

わんちゃんは

もう一度

『わん』

と鳴くと

私のスカートをくわえてひっぱりました

ちぎれそうな位ひっぱられて

今までこんな事なかったから

驚いて

何故かわからないけど

問い掛けたの

『帰らなきゃいけないの?』

『わん』

『どうしても?』

『わん』

『じゃあ一緒に帰ろう?』

『…………………』

最後の問いには答えてくれませんでした

そしたらわんちゃんが近づいてきて

私の足の指をなめたんです

『わんっ』

何故か私は泣いていました

『わんっ』

わんちゃんは私に擦り寄ってきて

私は

しゃがみ込んで

抱きしめました

『わん』

ーーーーー

その声を聞くと

次に目に映ったのは真っ白い壁でした

どうやら私は

あの事故の後

近づいて来た運転手に

殴られて

気絶させられて

レイプされたようです

そして

その場に放置されて

見つけてくれた近所の人が

通報してくれて

あれからもう2日たっているみたいです

きっと

わんちゃんが私を助けてくれたんだと思います

こんなの私の勝手な妄想

都合のいいような解釈かもしれない

もしかしたら私はあのこをあんまりかまってあげられてなかったかも

学校だからって

友達と一緒だからって

遊んであげられなかった日もあったかもしれない

けど

けど

それでも私の事

助けてくれたね

ありがとう

涙を舐めてくれてありがとう

一緒に居てくれてありがとう

私にたくさんの幸せをくれてありがとう

病室で一人

つぶやいてみる

『わん』

遠くの方から

聞こえたような気がした

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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