中編4
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ずっと見ていた

これは私が実際に体験した話しです。

私は何日も眠れなくなるほど怖かったのですが、読んだ方にとって怖くなかったらごめんなさい…。

しかも長くなるので最後まで付き合える人だけ読んだ方がいいかもしれないです。

私の家は木造の築40年以上で、白アリに食われててちょっとガタのきてる家なのですが、祖母と二人暮らしで、周りは田舎だし静かだし、私にとっては住みやすくてとても好きな環境でした。

ただ一つだけどうしても慣れないことがありました。

それは家鳴りなのかラップ音なのかわからないのですが、時々2階のほうからパキ、ミシといった音が聞こえ、最初の頃は「ボロい家だもんなぁ」くらいにしか思ってませんでした。

しかし、だんだんその音は明らかに足音に変わっていきました。

それも、走ったり階段を駆け登るような音です。

私の部屋は2階にあるのですが、私が1階のリビングにいる時にはよく聞こえました。

『何か』がいると思うと、怖くて1階にいる時間が増えました。

とにかく怖くて何もしないわけにもいかず、家の周りを時計周りに塩をまくといいと聞いたので塩をまき、塩と米を盛った小さな皿を全ての部屋の窓際に起きました。

それから1週間は足音がなくなりましたが、またすぐに聞こえるようになりました。

「しつこいな…」と思いながらも怖かったので、何日か彼氏さんに泊まりに来てもらいました。

夜になり、お互いウトウトしていると、普段2階にいる時は聞こえなかったあの足音が聞こえてきました。

階段をゆっくりと上がってくる音です。

私は祖母が来たのかな、と思い「ばぁちゃん…?」と聞きました。

でも返事はありません。

「??」と思い恐る恐るドアを開けて階段を確認しましたが、誰もいない。

『何か』が来たと思い怖くなって布団に戻り、彼にしがみついていました。

しばらくすると彼が小さな声で

「…まぢかよ」と言いました。

「何!?どうしたの!?」と聞くと

「今は言えない」と言います。

怖くなってしばらく沈黙でいると、彼の様子がおかしいことに気がつきました。

彼はまったく動かず、息をしている様子もありません。

ただ一点を見ていました。

それは私の部屋の隅にある鏡台。

何かやばい気がして必死に彼を揺すぶりました。

彼がハッとして息をしているのを確認でき、安堵していると

『何か』の視線を感じました。

しかし後ろを振り向いても何もいません。

彼に何があったのか聞くと、金縛りにあっていたそうです。

彼は少し霊感があるみたいで、疲れている時や、仰向けで寝ている時はよく金縛りにあうと前に言ってたことがありました。

心配で聞かずにはいれなくなった私は、何を見ていたの?と無理矢理聞きだしました。

「お前が怖がるから本当は言いたくなかったけど…ずっと見てたんだよ。あの鏡の中から」

「…誰が?」

「わからないけど、中年くらいで髪が肩くらいで…血色のない青い顔の女だった。見下すように白目いっぱいにして…睨んでた。」

「………」

私は言葉を失いました。

そんな女性に心当たりはない。

恐怖でどうにかなりそうでした。

そんな私を見た彼は、「もうどっか行っちゃったから大丈夫。目つぶってな」と言い、私は安心して気がついたら寝ていました。

しばらくすると急に目が覚めました。

時計を見ると深夜2時をすぎたとこでした。

なんとなくドアのほうを見ました。

「開いてる…」

ドアが全開に開いていて、目の前の部屋のドアも開いてるのが見えました。

目の前の部屋の窓には台がついていて、そこにサボテンが置いてあるのですがそのサボテンから変なミミズのようなものが生えていて、何本もうにょうにょ動いていました。(もののけ姫に出てくる祟り神みたいな感じの)

暗くて何かはよくわかりませんでしたが、気持ち悪くなってふと天井に顔を向けました。

何故かそこで私の記憶は途絶えていて、気付いたら鳥の鳴き声が聞こえ朝になっていました。

あの後のことが思い出せそうで思い出せない。

そのことを彼に報告すると、「よっぽど怖かったんだろ…忘れろ」と言われました。

…その日から同じ夢を見るようになりました。

その夢は私が鏡を見ると、見知らぬ女が映っていて、怖くなって布団をかぶって怯えていると気がついたら寝ていて、急に目が覚める。

そしてドアが開いていることに気がついて目の前の部屋のあのサボテンを見て、気持ち悪くなって天井に顔を向ける。

すると、普段開くはずのない天井の板が開いていて、そこから異常なほどに青ざめた顔の女が顔を回転させながらニヤっとしてこちらを見ている…恐怖で気を失うようにそこで夢がぼやけていく…

あの夢を見るのが怖くて私は眠れない日々が続きました。

体も限界に近づき、彼に怖くて眠れないと相談したら来てくれました。

そして夢の話をすると、彼はこれからの私が更に眠れない日々が続くような真実を言いました。

「…思い出しちゃったのか。俺もあの後また金縛りにあってずっと天井の女と目が合ってたんだ。」

私はそれから鏡のある部屋には必ずタオルをかけるようになりました。

そして2階で寝ることも、天井に顔を向けて寝ることも出来なくなりました。

みなさん、長々お付き合いありがとうございました。

読み辛くてあまり怖くない話ですみませんorz

後日談なのですが、祖母は末期ガンになってあの家には住めなくなったので、祖母は母の兄の家に、私は別のところに住んでいます。

あの家が今どうなっているのかはわかりません。

ただ時々母の妹が掃除に行くらしいのですが、電気がついていたり、風通しをよくするために開けておいたドアが全て閉まっていたりするそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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