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短編2
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電話の子機 夜中に鳴る

 私には変な友人が多い。

 この話は、むかし派遣先でいっしょになった友人が、今の職場でこういうことがあった・・・と話してくれたことです。

 その職場は某大手通信会社の一部門で、問い合わせがあった時に、販売している通信機器(電話機やFAXなど)の操作を電話でお客様に説明するのです。

 いわゆるコールセンターです。

 ある日、中年の男性から問い合わせがありました。夜中に電話の子機が鳴り出すので対処方法を知りたいというのです。

 その子機は、年老いた母親の側に置いており、何かあったときにすぐに連絡できるように、夜中も老母の側に置いてあるとのことです。

 「誰かが、親機からかけているんではないですか?」

 「家族の者は誰もかけていない。子機の液晶には チャクシンアリ と表示されている」

 「ならば、誰かがかけているのでしょう。近くに電波を使うような、無線を楽しんでいる愛好家の隣人がいるだとか、工事をしているとか・・・」

 「毎晩鳴るわけではない。でも、夜中に ガ・ガガッ ガーッ とか突然鳴り出すんだ」

※他の電波を拾っている場合は 圏外 と表示される場合が多いそうです

 「 チャクシンアリの表示ですか・・・失礼ですが、お母様が子機を布団の中に入れて寝ていたり、手に持ったまま寝ていたりしたのではないですか?知らぬ間にどこかボタンを押しているとか」

 「いや、それは無い」

 「え? どうしてそれがわかるのですか?」

 「今は 親機のそばに子機を置いているから」

 「 ? 」

 「今年の2月にばーちゃん死んで、居間の親機のところに置いてるんだ。前もこういうことあったんだけど、一時期収まっていると思ったら、また最近ひどいんだ・・・」

 「・・・・・・」

 結局、故障かもしれないと故障センターを案内したら 「前も同じところに電話したんだよなぁ」と電話切られたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー るすいさん  

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