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短編2
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放射性廃棄物

 私には変わった友人が多い。

 “ 廃棄物処理業者 ”と書けば立派に見えるけど、ある意味“ ゴミ屋 ”さんであって、こう書いてしまっては申し訳ないが、あまり人気があるとは思えない業界。

 その友人は、なぜかゴミが大好きで、

「これからの産業はゴミだ!」

「それって、どういうこと?」

「今まで注目されていた動脈産業ではなく、これからは静脈産業が注目を集める時代だ!」

なんて、よく酒を飲むと一席ぶっていた。

 もちろん彼は廃棄物処理業界にたずさわっているわけで、いろいろな面白い話に事欠かない。

 今回は、その中から一つ。

 これは雑誌にも載ったことがあるので、知っている人も多いかもしれない。

 日本はリサイクルが盛んな国で、ペットボトルや缶だけでなく、いろいろな廃棄物を回収して、再生処理し、使っている。

 しかしその実体は零細収集業者が支えていて、必ずしも充分な体制が整っているわけではない。

 ペットボトルや缶などは自治体が収集に力をいれているが、その他のもの、例えばクズ鉄などは、依然としてどこから何が持ち込まれているのか判然としていなかった。

 クズ鉄は、最終的には大きな工場に集められて、炉で溶かされ、鉄筋コンクリートのビルに生まれ変わったり建材に使われたりするそうだ。

 で、昔からささやかれていたことがある。

 もしかしたら、持ち込まれる廃棄物の中に、放射性廃棄物があるのでは?と。

 廃業した病院や、廃墟になっている病院は多い。廃棄処理に金がかかるそれらを、潰れる病院の経営者たちが正規の方法で処理をするだろうか?そのまま現場のレントゲン室に放置したり、違法な闇の収集業者に渡してしまったり・・・。

 「 ハハハッ! そんなバカなことが! 当社が再生処理しているクズ鉄は、基準をクリアしていますので ご安心を!」

 ある再生工場が、そう言って、放射能探知機をコンベアーにとりつけたそうだ。

 そうしたら・・・その日のうちに、警報が鳴ったそうだ。

 で、それをどうしたかって?

 それを正規の手順で処理していたら、赤字になってしまうじゃないですか!

 だから・・・そのまま溶かしたそうです。

 うそかほんとか、そんな話 

怖い話投稿:ホラーテラー るすいさん  

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