日本中のいたるところにあるコインロッカー…
実際、中に何が入っているかなんて分からない。
時にはとんでもないものが入っているかもしれない…
これは、日本がベビーブームに沸いていた頃(1990年代頃の出来事。
ある日の深夜。
とある駅内にあるコインロッカーに赤ちゃんを背負った女性(A子)が来た。
女性はロッカーを開けるなり、すぐさま産まれて間もないその赤ちゃんをロッカーに入れ、鍵をかけるとその場を立ち去った…
恵んでもいない子(いらない子)を産んでしまった女性はその赤ちゃんを捨ててしまった。
それから何年かたったある日の夜。
その女性は仕事の出張関係で赤ちゃんを捨てたコインロッカーがある駅に来た。
どうやら当時のコインロッカーは駅の地下にある倉庫らしき所に移動され、放置されているらしい。
現在は電子的でキレイなコインロッカーに変わっていた。
『あのコインロッカーはもう使われていないんだ…』
女性は安心とその反面、自分の子を捨ててしまった後悔や悲しみがこみ上げてきた。
そんな事を考えていると女性の目の先に10歳ぐらいの女の子がしゃがみ込んで泣いていた。
周りにはたくさんの人々がいるが、みんなその泣いている女の子を無視して素通りしていく…
『あんなに泣いているのに…みんなは泣いている事に気づかないのかな?』
女性はその女の子に声をかけた。
「どうしたのかなぁ? 迷子? お父さんは?」
女性が女の子にそう問いかけると女の子は首を横に振った。
「…んじゃお母さんは?」
女性が聞いた。
すると女の子は無言で走り出した。
「ちょっ、ちょっと!?」
女性は女の子を追いかけた。階段を下り、狭い通路などをいくつか通っていった。気が付くとそこは人気のない薄暗く、かび臭い大きな倉庫だった。 手入れなどは全くされてはいないような所で、倉庫には昔の木製ベンチなどが置いてあった。
女性は倉庫にたたずんでいる女の子に聞いた。
「なんでこんな所に来たの? 明るい所行こう。お母さんとかは?」
そう聞くと、女の子は女性を恐ろしい目で女性を睨みつけ、口を開いた…
「オマエダ!」「コロシテヤル!」
手には包丁を持っていた…
コインロッカー…それは時に想像を絶する物が入っているかもしれない…
怖い話投稿:ホラーテラー ベガさん
作者怖話