初投稿させて頂きます。
一応創作で、乗せる場所も間違ってるかもしれません。
会話も細かく書いてしまったので、かな~り長くなってます(汗
読みにくかったり、誤字脱字等あると思いますが、
気になった方だけでもいいので読んでくださると嬉しいです。
はじめます・・・。
登場人物
僕(正樹:まさき) 章:あきら 和義:かずよし 香苗:かなえ 彰子:あきこ
女将(正子:まさこ)
~旅館~
あの夏の日、僕らは初めて友達同士だけで旅行へいく計画を立てた。
その時は、まさかこんな事になるとは思いもしなかった・・・。
章「なぁ、旅行っつっても何処いこうか?」
香苗「なんか静かなところがいいよね~!」
章「そうか?俺は街中のがいいけどな~」
和義「ま、たまにはいいんじゃね?修学旅行も東京とかだったしさ」
僕・彰子「そうだね~」
そんな感じで旅行の計画はなんとなく静かな山のほうへ行く事に決まった。
皆で選んだ旅館は、写真で見てもわかるくらい静かそうな温泉旅館。
宿泊先も決まって、当日を楽しみにしていた。
そして当日、皆遅刻もなく待ち合わせ場所に集合し、
今から行く場所で何をする?いや山の方だし何も出来ないんじゃない?
とか、全員ではしゃぎながら目的地へ向かった。
そんな事もあってか、目的地までさほど時間もかからなかった感じで到着。
彰子「ほんっっと、周りに何も無い所ね」
章「お前らが静かなところがいいっていったんじゃんか~」
僕「いいところだと思うよ?何も考えずダラダラしようよ」
和義「お前はいつもだとおもうけどな。何も考えてないのは」
そんな中、一人だけ俯き、元気の無い香苗の姿があった。
章「おい、大丈夫か?」
香苗「うん、なんだか寒くて気分が悪いの」
彰子「疲れたんじゃないの?早く旅館入って休もうよ」
僕・章・和義「だな」
この時から既に香苗には異変が起こり始めていたんだ。
けど、誰も幽霊とかそんな物の事は頭にはなかった。
ただ山の中だから、冷えるんだろう。
そんな風に思っていただけだった。
僕「ごめんくださーい」
章「勝手に奥までいっちゃっていいんかな」
僕「入っても部屋わかんないし、すぐ来るでしょ」
女将「は~い、ごめんね~。今行くから待っててちょうだいね~。」
通路の奥のほうから顔をちょこっとだして、女将が返事をした。
女将の顔を出した部屋の前には掃除道具が置いてある。
どうやら掃除をしていたらしい。
和義「お、ソファーある。香苗、今はここで休んでたら?」
香苗「うん・・・」
彰子「香苗、大丈夫?顔色わるいわよ?」
香苗「帰りたい・・・」
章「何いってんだよ、ちょっと疲れただけだって!せっかく来たんだし少し休めばすぐよくなるって」
香苗「うん・・・そうだね、ごめんね」
僕「あとで女将さんに何か薬ないか聞いて見よう、風邪かもしんないし」
女将「おまたせ~、あら~皆高校生くらい?疲れたでしょう、こんな所まで~、ゆっくりしていってね。夜はおいしい料理いっぱいだしてあげるから」
僕・和義「ありがとう~っす!楽しみにしてまっす!」
女将「それじゃ、お部屋案内するわね。・・・あら?そっちの子大丈夫?顔色わるいけど」
僕「あ、うん。たぶん疲れたんだとおもうけど、念のために風邪薬飲ませてあげたいんだ。ここに何かありませんか?」
女将「あとで持っていってあげるわね」
そして部屋に案内された。
部屋自体、窓からは流れる川が見えて、とても涼しげで落ち着いた空間だった。
まるでクーラーでもついてるかのようなヒンヤリ感
なんだか体にまとわりつくような空気
あと・・・
誰かに見られているような視線を感じた・・・
僕も疲れているのかな?と思っていた。
少し休めば大丈夫だろうと軽く考えていた・・・。
和義「あ~、なんだか寛げるよな~!やっぱ」
彰子「そうだね~!なんだかいい感じ!」
章「わるくね~な、こゆのも」
・・・パタパタパタ。スー!
出入り口の襖が開いた。女将さんだ。
女将「はい、これお薬、あとそっちの襖の奥にお布団用意しておくからね」
彰子「ありがとうございます」
僕「すみませんす、なんだかご迷惑おかけしちゃって」
女将「い~のよ~!気にしないで。さ、私はお夕食の準備あるからいくわね」
章「う~っす!」
女将「あ、この先もうちょっと奥行ったら右手に温泉もあるからね」
章・和義「おお!あざっす!」
スー、トン!パタパタパタ・・・
女将さんは忙しそうに、足早で帰っていった。
さっき話しながら準備していた布団に、香苗を寝かせ、僕らは温泉へと向かった。
香苗にもそれを伝えて向かったが、一人にするべきではなかった・・・。
章「温泉っていいよな~。あんまし興味なかったけど、やっぱきもちいいや!」
僕「だね~」
和義「お~い!彰子も入ってるか~!?」
彰子「はいってるよ~! ・・・覗いたらあんたら全員コロスよ?(笑」
男共「怖えぇ…」
皆なかなか味わうことのなかった温泉を堪能し、
思う存分温泉を楽しんでいた。
と、突然・・!
きゃああああああああああああああああああああああ!!!!
叫び声が聞こえた!
香苗だ!
全員温泉から上がり、急いで部屋へ向かう!
部屋には女将さんがいて、オロオロしている。
僕らは香苗の所へ行き、何があったかを尋ねるが、
香苗はガタガタ震えて、目を見開き何も答えない。
ただひたすら指をさし、その方向を凝視している・・・。
香苗の視線の方へ目を向けるが、何もいない。
章「おい!どうしたんだ!?」
香苗「あ・・・・あぁ・・・・」
彰子「ねぇ!香苗!どうしたの?」
僕「何もいないよ・・・」
突然、低い耳鳴りと共に頭痛がしはじめた。
温泉から上がったばかりなのに、寒い・・・
そして、なぜだか息苦しい。
他の3人はなんとも無いようだが、僕には少し耐えられなかった。
僕「ちょっと部屋の外にいる・・・」
章「どうした?」
僕「いや、ビックリして気が動転してるのかな。ちょっとめまいが」
和義「ここは俺たちで見とくから」
僕「うん、ごめんな」
この部屋にはいられない。そう思い部屋から出た。
部屋の外には女将さんもいた。
何か考え込んで、なにかブツブツ言っている・・・
女将「やっ・・り・・・・・かしら・・・」
じっと女将さんを見ていると、向こうもこっちに気がつき
とたんに笑顔を見せる。
女将「旅の疲れと、慣れない所で寝たから、変な夢でもみたのね、きっと」
僕「そう・・・・ですかね」
女将「そういうものよ。私も昔そんな事あったもの」
僕には、女将さんが何かを隠しているようにしか見えなかった。
部屋から3人が出てきた。
香苗は落ち着きをとりもどしたらしい、本人も変な夢を見たんだと言っている
そこから香苗は元気になった。もういちど、みんなで温泉へ向かい、堪能し
夜にはおいしい料理!
みんなで騒ぎながらいつしか夜も遅くなっていた。
和義「もう寝ようぜ~、俺疲れたわ」
章「おう、そうだな!」
彰子「私たちの布団は居間へ移動させるわね、あんたたち信用できないし!」
僕「ハハハ・・・」
彰子「香苗、一緒に寝ようね!」
香苗「うん!」
和義「じゃ、俺らも寝るか~」
章「おう、おやすみ~」
部屋の電気を落とし、旅と温泉の疲れで皆すぐに寝てしまった。
僕はなぜだか寝れず、目を閉じたままいくらか時間がすぎていった・・・
突然、あのときの耳鳴りがしだした。
体も動かない!金縛りだ!
目だけは動かせるようで、隣を見ると、そこには同じように寝苦しそうにしている和義の姿があった
僕(和義も金縛りか・・・?)
目を部屋の隅へと移す・・・
僕(!!!!!!!?)
何かいる!人ではない!それだけがはっきりと判った!
細長い白い顔、大きな真っ黒な体、目の部分は真っ黒で何もなく口も縦に大きく開けたまま・・・
その口から聞こえるのは、あの耳鳴りと同じ音!
頭が痛い!だが、見ているのは僕のほうじゃない!?
和義の方だ!
『ソイツ』がゆっくりと動き出した・・。
和義の上で止まり、ゆっくりと大きな体を前に倒し、顔を近づける。
和義の口から何か出てきた!
僕「ヒッ!」
僕はおもわず声をだしてしまった・・・。
グリンッ!!
と、『ソイツ』の顔がこちらを向く!
ヴォーという声?音?を発しながらこちらへ近づいてくる!
いやだ!いやだ!こないでくれ!
死に物狂いで動かない体を動かそうとする、しかし体は言うことを聞かない!
『ソイツ』の顔が近づく・・・。
目の真っ黒な部分には多くの亡霊のようなものが見える。
いや、それだけじゃない!
白い顔だと思っていた部分、、それは無数の手が組み重なってできていたのだ
自分の中から何かが吸いだされそうになるのがわかる。
あぁ、もうだめだ!
やめてくれ!やめてくれ!
泣きながら祈った!何でもいい!助けて!
『ソイツ』から発せられる声が今ははっきりとわかる。
もうすこし・・・もうすこし・・・
・・・はやくこい・・・はやく・・
あぁ・・・恨めしい・・・・憎い・・・・
色々な声が合わさって聞こえていた・・・
自分はもう死ぬんだ・・・そう確信した。
自分もこの中にはいって。『ソイツ』の一部としてこれからまた他の人を襲い続けるんだ・・・。
パタパタパタ!スー!バタン!
そこまでよ!
部屋に明かりが付き、声と共に『ソイツ』に何かがまかれた!
『ソイツ』はこの世のものとは思えないほどの叫び声を上げ
ひるんでいる!
そして、『ソイツ』ははっきりと言葉を残し消えていった。
チクショー!ソイツをよこせ!ヨコセ!よこせぇええ!
部屋の明かりが付く、他の4人は何事かと目を覚ます。
助けにきてくれたのは女将さんだった。
僕は泣きながら女将さんにしがみついた。
女将「もう大丈夫だからね。ごめんよ、くるのが遅くなって」
どうやら、その地域に昔から伝わる怨霊?みたいなもので、
無作為に旅人を襲い、魂を食しているらしいとの事。
女将さんはつよい力をもっており、『ソイツ』に対抗できる人だったこと
色々教えてもらったが、理解はできなかった。
したくなかったのかもしれない。
章・和義・彰子は何が起こったかわからないという様子
ただ一人、香苗だけは怯えていた。
香苗「正樹君は、大丈夫だったのね」
僕「うん・・・」
香苗「よかった・・・」
この言葉を、そのときは深く理解しようとはしなかった
いや、できなかった。
皆旅行から帰り、再び合流したときは、香苗の姿はなかった。
そう、なぜなら・・・
香苗の葬儀で合流したのだったから・・・
あのときの
『正樹君(は)、無事だったのね』
すでに何かを奪われていたのだろうか・・・
なぜ、僕や香苗が狙われたのだろうか・・・
今となっては知る方法はない。
怖い話投稿:ホラーテラー ノラネコさん
作者怖話