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短編2
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死を感知する

小学校低学年のころ、母方の祖母が亡くなりました。

亡くなる2日ほど前に祖母が『一緒に寝よう』と言ったのに、私はどうしても嫌で必死に断ったのを覚えています。

理由は祖母から変な匂いがするから。臭いは臭いのですが生ゴミとはまた違った匂いで、当時の私はとても耐えられませんでした。

そんな事があった事も忘れた高校2年生ころ、私が親友と遊んでいた時に父親から急に電話がきました。何だろうと思い出てみると、電話の主は父親の兄(叔父)でした。

どうして父親の携帯から叔父がかけてくるのだろうと思っていると『お父さんが倒れた!今○○病院にいるから来てくれ!』との事でした。

父は以前から肝臓病を患っていた為、倒れたという事にさほど驚きはしませんでした。

病院に着き、父親がいる病室に行くと、人工呼吸器をつけた父親がいました。

その姿はとても弱々しく、普段の父からは考えられない姿でした。

しばらく病室にいたのですが祖母達が話し合いをして病室を離れた際に、私はその場にいられなくなり何も言わず家に帰りました。

家に帰って父が倒れた事を母親に報告すると(両親は私が中学に上がる前に離婚)『危ないな』とだけ言いました。

家に帰ってから10分も経たないうちに、また父親の携帯から電話がかかってきました。

声の主はやはり叔父で、その声はとても掠れていたのを今でも鮮明に思い出します。

『お父さんがさっき亡くなった』

その言葉を聞いても私はあまり動揺しませんでした。

何故なら病室にいた時の違和感、父親から匂ってくる異臭から父が長くない=死ぬという事がなんとなくわかっていたからです。

父親の死に際を見たくないが為に家に帰ったのです。

祖母が亡くなった時も嗅いだ匂い。それと父が亡くなる前に放っていた異臭と同じものだったのです。

これは私なりの解釈ですが、二人から匂っていた異臭は死臭ではないのかと思うのです。

死臭を嗅いだことはないのでハッキリとそうだとは言えませんが、それ以後も知り合いが入院して見舞いに行ってその異臭がする人は1週間ほどで亡くなられます。

母親もこの異臭で死期がわかると言います。

これは特別な力などではなく全員がわかるものだそうです。

ただ生前のその異臭(生きているうちは匂いが薄い)に敏感かどうかでそれに気付くか気付かないかに別れるみたいです。

怖い話投稿:ホラーテラー 渚さん  

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