ばあちゃんが亡くなって、しばらくして、母さんは黒い部屋のことを教えてくれた。
それは、僕の想像を超えていた…
あの部屋は、ばあちゃんの娘、母さんの姉さんにあたる人のものでその人は、村で評判の美人だったらしい。
だけど、ある日ばあちゃんとじいちゃんが、家を留守にした日、男に襲われ殺されてしまった。
顔をナイフで切り刻まれ、酷い有り様だったらしい。
僕は、
「だけど、その事件と部屋が黒いのは、関係あるの?」
そう聞くと、母さんはまた話出した。
「あなたのじいちゃんはね、私の姉さんを見てしまったの、あの部屋で…
その時に、じいちゃんね…」
母さんは泣いていた。
「じいちゃんね、姉さんの顔を見て、叫んでしまったの、(化け物だぁぁ)て…
そしてね、じいちゃんその日に死んでしまったの…。」
母さんの話では、
その人の姿を見て、怖がると死んでしまうと言うことのようだ。
でも、なぜ部屋を黒くするのか…
母さんの話は続く、
「ばあちゃんもね、姉さんを見たの。
でも、ばあちゃんは、姉さんを見て怖がるどころか、ぐちゃぐちゃの姉さんの顔を抱きしめたの。
泣きながら抱きしめたの…
その時、姉さんが言ったのよ、
(母さん…私を一人にしないで…
私は誰にも見られたくないの…
部屋を黒くして…
私を一人にしないで…)てね…
あの部屋を、真っ黒に塗ったのは、ばあちゃんなの…」
母さんはここまで話すと泣き崩れた。
僕も泣いてた。
山のばあちゃんの家には、今はばあちゃんと姉さんがいるんだろう…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話