自分的には爆笑だったので怖くないかもしれないが、実話です。
もう何年も前の話ですが、昔、下宿していた時の話。
その下宿先は、職場の上司の紹介で、部屋を借りていたんだけど、そこは戦時中から歯科医のお宅の持ち物で、当時はその建物で営業していたらしい。上司も住んでいたし、古いけど家賃も安いから気にせず住んでいた。
俺が借りたのは、離れになっていて母屋の裏に建っている感じで、母屋とはつながってないのね。
で、半年ほどたった時に、仕事で地方に半年間滞在しなきゃ行けなくて(滞在中は現地の施設に寝泊まり)荷物もあるから、部屋をそのまま借りたまま行ったんね。
そして、半年後帰ってきて、しばらくしたある日、夜寝ていると金縛りにあって動けなくなったんだけど、「環境の変化で疲れがでたのかな?」って思って、次の日も仕事だし、そのまま無理矢理寝たんだ。
そして、朝は普通に起きて、違和感を感じながら仕事に向かったんね。
仕事から帰って、また、いつものように寝てたら、今度は原チャリをふかしてるような音にウルサくて起きたんよ。でも「今何時だ?バカなら直ぐに移動して聞こえなくなるだろう」と思って、気にせず寝ようと思ったら、音がだんだん近付いてくる。近付くにつれて、その音が今度は、仮面ライダーの雑魚怪人の声みたいに「ヒヒ・ヒヒヒヒ」って笑い声みたいのが近くで響くように聞こえだしたんね。
目を開けようにも、金縛りにあってて動かないし声もでない。
最初は怖かったけど、その笑い声?と金縛りで動けないことに、だんだん腹が立ってきて、出ない声を腹の底から絞り出すように『だあああ~』って叫んだ。声が出たとたん金縛りが解けから、起き上がって『やんのかゴラァ。アァ?』って暗闇の中一人叫んでたんよ。
そしたら、いつの間にか声も止まってて、部屋の電気を付けたら何もなく、時計は深夜2時すぎをさしてた。ムカつきながらも、何もないからそのまま寝たんだけど、その日は、休みだったのもあって昼過ぎまで寝てた。
そして、夕飯の買い出しに行って、帰ってきて、テレビ見ながら飯食って、押し入れから漫画を何を読もうか探してた。押し入れは二段になってて、下は物置で上は本棚にしてたんね。
で、立ったまま漫画をパラパラ見てたら、ちょうどテレビで「名探偵コナン」をやってて、そのワンシーンでお経が流れ出した。そしたら、物置になってる押し入れの下の段から突然、突風がブアっと吹き抜けて行った。
たってた事もあって、ちょうど脚の辺りを吹き抜けたんだけど、間を抜けたと言うよりは、脚をすり抜けたような感触だった。
全身、鳥肌がったけど、「金縛りの原因はコイツか!」って気づくと、なんだか可笑しくて大笑いをしてしまったよ。
それ以来、金縛りに合うことはなかったけど、時々、ゾクッと視線を感じることはあったな。その時は「やんのかゴラァ」って念じればゾクゾクした感じはなくなるから、そのまま何年か住んでたよ。
怖い話投稿:ホラーテラー 漆黒の翼さん
作者怖話