最初に断っておきますが、以下の話は心霊というより、訳がわからなくていまだに不気味だと思っている記憶です。
ちなみに長文の上オチもありません。
まだ私が小学校に入る前の話。
その頃は近所に同年の子供がおらず、少しばかり距離はありましたが、両親に連れられて従姉妹一家の所へよく遊びに通っていました。
従姉妹一家の地区は大通りから奥まった所にあるせいか、道はあれど車はなく、ひらけた場所も多かったので(今思えば運送会社の車庫だったのかも)子供の遊び場には困らない様な感じです。
その時もいつもと同じ様に、従姉妹である二人姉妹と私の三人で遊んでいました。
誰が最初に見つけたかまでは忘れてしまいましたが、ふと道端に止めてあるトラックが妙に気になり、三人でしばらくそれを見ていました。
そのトラックというのは、荷台の部分がコンテナではなく、鉄製の骨組みの上にシートを張ってあるような、上手く説明できないのですがトラックと言うよりは軽トラに荷台を付けた様なものだったと思います。
「何が変なんだろ?」
見た目は全く普通の車なのに、三人揃って違和感を感じているようでした。
それでも何がおかしいのかわからず、トラックの後ろから開けっ放しにされたままの荷台の入り口を覗きこんでいると、
「あっ」
恐らく姉妹の上の子だったと思います。「あれ見て。」と私達を自分が立っている荷台の側面へ呼びよせました。
「誰かいる」
うながされるままに見ると、内側から何かが熊手で引っ掻いているような感じで、シートの表面に線が浮かび上がっていました。
傷かと思ったのですが、よく見ると動いている。
誰かいるのか?と思い荷台の中を覗き見るのですが、生き物どころか荷物すらない。不思議に思って再び側面を見ると、やはり何かが内側から引っ掻いている。
誰かが「猫とかじゃない?」と言ったのですが、引っ掻いている線は荷台のかなり上の方(ほぼ天井より)だったので、それは違うだろうという事になりました。引っ掻いているであろう指の間隔も、大人のものに見えました。
「じゃあ何?」
その間もシートは内側から引っ掻かれている。
三度荷台を覗き込んでもやはり何も無い。
その後もしばらく三人でぼんやりとそれを見ていましたが、結局「わからない事は帰ってから大人に聞けばいいや」とそのままトラックを後にしました。
もちろん帰る頃にはきれいさっぱり忘れてしまった訳ですが。
ただ、その時は不思議と恐怖はなく(三人だったからというのもある)、見た訳でもないのに三人とも「変な男の人だったね」と帰り道に話していた記憶があります。
以降はこれといった後日談もなく、三人とも零感のまま至って普通に成人を迎え、二人姉妹の方は人並みに波乱はあったものの双方共に子を持つ母親となりました。私だけが仕事人間ですorz
環境が違ってきているので現在は疎遠がちになってしまいましたが、一度だけ十代の頃に「そういえばこんな事があったねー」と話した覚えがあるので、恐らく夢や記憶違いではないと思います。
以上でこの話は終わりです。
気を付けて書かせて頂きましたが、読みづらい、または誤字脱字等がございましたら申し訳ありません。
ここまでお付き合い下さいましてありがとうございます。
連続投稿失礼致しました。
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作者怖話