聞いた話なので、嘘か本当かは、読んでくれた人の判断に任せます。
地元のパチンコ屋にすごい人がいる。
常連客からは、
(ぱち神)
と呼ばれているおじさんです。
そのおじさんは、とにかく勝てる台を僕らに教えてくれます。
おじさんの教えてくれる台に座れば、その日は勝ったも同然、それくらい当たり台を的中させる人でした。
しかし、おじさんは、パチンコ屋に一週間に一回くるかこないか、その程度しか顔を出しません。
そして、二時間くらい打って、1万くらい儲けると、すぐ帰ってしまうのです。
だから、おじさんが来ると、常連客は、ちょっとしたアイドルが来たみたいにざわつきます。
そして、勝てる台をなんとか聞こうとするのですが、すぐ帰ってしまうので、聞ける人はほんのわずかなラッキーな人だけでした。
僕は、このおじさんが不思議でした。
なぜ、勝てる台が分かるのか?
なぜ、自分で打たないのか?
なぜ、すぐ帰ってしまうのか?
不思議な事だらけです。
そこで僕は、次におじさんが来たら、後を付けて行こう、そして謎を聞き出せそう。
そんな、作戦を考えました。
数日後、おじさんが現れました。
早速作戦決行!
おじさんが帰る時に、僕は後をつけました。
ノロノロ歩くおじさん…
そして、パチンコ屋から十分くらい歩いた、古いアパートに入って行きました。
おじさんが部屋に入る前に、僕は呼び止めました。
「おじさん、昼飯一緒に食わないっすか?」
おじさんは、僕をじっと見つめ、
「ああ…いいよ」
と答えた。
近くの中華料理屋で、おじさんにビールを薦め、酔ってきた頃、僕は本題を聞く事にしました。
するとおじさんは、何のためらいもなく、全てを話てくれたのです。
「昔は俺も、ギラギラしてパチンコを打ってたんだ。
ある時、大負けした帰り、変なセールスマンみたいのに声をかけられたんだ…
そいつが言うには、勝てる台を分かるようにしてやるって…
その代わり、ある物をくれないかって…
そう言うんだ。
俺は、二つ返事でその話に乗ったよ。
そんな物いらなかったからな…」
こんな話があるのか…魂やら寿命やらと引き換えに?
半信半疑でおじさんに聞いた。
「一体何と引き換えにしたのですか?」
おじさんは、寂しそうに答えました。
「ああ…欲を持って行かれたよ…」
確かにいらいけど…
微妙だ…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話