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短編2
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ぱち神

聞いた話なので、嘘か本当かは、読んでくれた人の判断に任せます。

地元のパチンコ屋にすごい人がいる。

常連客からは、

(ぱち神)

と呼ばれているおじさんです。

そのおじさんは、とにかく勝てる台を僕らに教えてくれます。

おじさんの教えてくれる台に座れば、その日は勝ったも同然、それくらい当たり台を的中させる人でした。

しかし、おじさんは、パチンコ屋に一週間に一回くるかこないか、その程度しか顔を出しません。

そして、二時間くらい打って、1万くらい儲けると、すぐ帰ってしまうのです。

だから、おじさんが来ると、常連客は、ちょっとしたアイドルが来たみたいにざわつきます。

そして、勝てる台をなんとか聞こうとするのですが、すぐ帰ってしまうので、聞ける人はほんのわずかなラッキーな人だけでした。

僕は、このおじさんが不思議でした。

なぜ、勝てる台が分かるのか?

なぜ、自分で打たないのか?

なぜ、すぐ帰ってしまうのか?

不思議な事だらけです。

そこで僕は、次におじさんが来たら、後を付けて行こう、そして謎を聞き出せそう。

そんな、作戦を考えました。

数日後、おじさんが現れました。

早速作戦決行!

おじさんが帰る時に、僕は後をつけました。

ノロノロ歩くおじさん…

そして、パチンコ屋から十分くらい歩いた、古いアパートに入って行きました。

おじさんが部屋に入る前に、僕は呼び止めました。

「おじさん、昼飯一緒に食わないっすか?」

おじさんは、僕をじっと見つめ、

「ああ…いいよ」

と答えた。

近くの中華料理屋で、おじさんにビールを薦め、酔ってきた頃、僕は本題を聞く事にしました。

するとおじさんは、何のためらいもなく、全てを話てくれたのです。

「昔は俺も、ギラギラしてパチンコを打ってたんだ。

ある時、大負けした帰り、変なセールスマンみたいのに声をかけられたんだ…

そいつが言うには、勝てる台を分かるようにしてやるって…

その代わり、ある物をくれないかって…

そう言うんだ。

俺は、二つ返事でその話に乗ったよ。

そんな物いらなかったからな…」

こんな話があるのか…魂やら寿命やらと引き換えに?

半信半疑でおじさんに聞いた。

「一体何と引き換えにしたのですか?」

おじさんは、寂しそうに答えました。

「ああ…欲を持って行かれたよ…」

確かにいらいけど…

微妙だ…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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