もう二十年前の出来事です。
私はアパートで一人暮らしをしてました。
友達がよく遊びがてら泊まってく事が多く
その日も看護師の幼なじみが夜勤明けで
昼12時に来ると約束してました。
でも待てども来なくて、病院だから急患でも入ったのかな?と思ってました。
3時近くに幼なじみは来ました。
来るなり「帰ろーと思ったら末期の患者さんが死んじゃって」
と、やっぱりと私は思いました。
幼なじみは話を続け、小さな声になり(二人だけなのに)
その後が大変な事態になった事を話始めました。
まず患者さんが亡くなると身体を拭いたり、爪を切ってあげたり
色々な処置をします。
先輩の後ろで器具を持ってた幼なじみの後ろがドアだったそうで
先輩にさんドア閉めてね!と言われ振り向くとドアが少し開いてる。
閉めた筈なのにと思いつつガシャっと閉め直し。
少し経つとまた先輩にドアが開いてると叱られたそうです。
結局三回ドアが開いたと言ってました。
詰め所に戻り片付けをしてるとナースコールが鳴り思わず
「はい!どうしました?」と答えると
同僚から「さっきのさんのとこだよ」と言われ、アッと気づいたようです
ナースコールは回線の混乱だと皆は思いたかったのでしょう。
しかし、その後何回も鳴り続け部屋の赤いランプも点滅が止まらなくなる始末
とうとう業者を呼んで見てもらったが異常はどこにも見当たらず
仕方なく配線を切断したのですが
その後も十分ほどコールとランプは止まらなかったそうです。
幼なじみは末期病棟勤務で、その亡くなったお爺さんをずっと見てきたそうです。
家族は殆ど見舞いにも来ず、いつもお爺さんは…
「家に帰りたい」
と泣いてて可哀相だったと聞きました。
思った通り引き取りに来た家族は
家に遺体を帰してあげる事もせず
通夜の会場に直行したという事です。
この出来事は外に伏せるよう病院から言われたそうですが
私が幼なじみなのと、彼女の悲しい怒りで教えてくれました。
今は移転し立派な病院になってますけど
看護師を辞めた幼なじみにとっても私にとっても
とても怖く悲しい記憶として残っています。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話