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短編2
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罪悪感

まだ小学生だった時の話。

ずいぶん前の話なので記憶が曖昧で読みにくいと思うが勘弁してほしい。

その日チャリで走っていると目の前に大きな青大将が。

ブレーキも間に合わず轢いてしまった。

その当時、祖母に「蛇は神様の使い」だと教えられていたので、祟られるかもしれん、とガクブルしていたんだ。

当時からヘタレだった自分は、その後蛇がどうなったのか確認することもなく逃げ帰った。心の中で謝りつつ、涙と鼻水でクチャクチャな顔で。

その年の思い出は散々だったな。

それからしばらくして雨が降ったんだ。

傘をさそうと何気に開いたら、傘の中から小さいゴミみたいなものがワッシャリ降ってきた。

その小さいゴミは「蜘蛛の子」だったんだ。

後にも先にもあんだけ絶叫したのはあの時だけだろうな…

身体中を小さな蜘蛛に支配されながら、子供心に「蛇さんごめんなさい」ってワンワン泣いた。

その年の冬、例年にない大雪&暖冬で家の一部が雪の重さに耐えきれず潰れてしまった。

幸い怪我人も出ず近所にも被害は無かったが、当時の自分は「自分のせいだ、蛇さん(←敬称が無いと更に祟られるかもって思ったんだろうw)を轢いてしまったせいだ」と思い込んでしまった。だからずっと誰にも言えず、一人で心の中だけで謝ってた。

他にも細かなことは色々あったが、今も深く印象に残っているのはこの2つだったな。

で、翌年の春(だったと思う)修理の終わった家の床下(うちの地方では縁の下と呼ぶんだが伝わるか?)に何故か潜ってみたんだ。

それまで縁の下で遊ぶことなんか無かったので、今考えても何でその日に限ってって感じなんだが、その時、真ん丸い白い卵のような物を見つけたんだ。

「蛇のたまごだ」

勝手に直感でそう思い込み、両手を合わせて「無事生まれますように」って念じた。

ただそれだけだったんだが、きっとそれで自分の罪悪感が多少薄れたんだろう。

蛇に謝ることも次第に少なくなっていった。

今は分別のつく大人になったので、あれは祟りでは無く自分の罪悪感がそう思わせたんだと判るんだが(ホントに蛇の卵だったのか結局はわからんしねw)、当時の自分にとってはひどい恐怖だったな。

ここまで独り言に付き合ってくれたのに大して怖くなくてスマンかった。

ただ、因果応報とか祟りとかって、結局はこういうことなんかなー…と。

てことは一番怖いのは罪悪感を持たない人間ってことにならないかい?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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