この話は実体験です。
冬のある土曜日の昼俺はいつも通りバイクで友達A君の家へ遊びに向かっていた。
A君の家は大きな山を挟んでちょうど反対側にある。
一番の近道がその山の中にあるギリギリ車が2台通れるか通れないかくらいの道。
もちろん行くときはそこを通った。その道は人通りも少なく、途中に昔火葬場があった場所へ続く道があるくらいだ。
しかしまだ昼だった。別に不気味な感じもしないし、何とも怖くはない。
何事もなくA君の家に着いた。
それからしばらくA君の家で遊んでいると、もう夜10時を過ぎていた。
帰ろうとしたが、外は雨が降っていた。バイクだと危ないから、バイクは預かってもらい仕方なく母親を呼んで車で帰ることにした。
しばらくして母親が着き車に乗り込んだ。
母親は極度の怖がり。しかし、いつもなら火葬場のある道を通らないが、その日は見たいテレビ番組があるらしいので仕方なくその道を通って帰ることにした。
その火葬場のあった道に入ってから、母親はいきなり悲鳴をあげる。
何事かと思うと、飛び出してきたタヌキにびびっていた。
なあ〜んだと思って、疲れていたこともあって窓の外をずっと眺めていた。
それからまた走り続けると、火葬場へと続く道を通りかかった。
しかし、何も起こらない。
そのまま火葬場へと続く道を通り過ぎた瞬間、また親が悲鳴をあげた。
今度は何だよ。って思ったら、火葬場へと続く道から軽トラが1台出てきた。
正直くだらねーって思ってた。
その軽トラは母親の車の後ろについてきた。
ミラー越しに見ると、顔はよく見えなかったが、どうやら高齢者が運転しているようだ。
高齢者のせいなのか、ウィンカーを出しっぱなし。ライトはハイビーム。
眩しいな〜。って思ってたら、急に眩しくなくなった。自分の運転に気づいたのかなって思って、またすぐにミラー越しに後ろの軽トラを見てみた。
すると突然軽トラは居なくなっていた。
さすがに俺も驚いた。
急にエンジン切ったわけでもない。転回しようにも道が狭く時間がかかる。なのにさっきまで後ろにいた軽トラがいない。
目を離したのは、ものの1秒もたっていない。
道の両端は山の斜面に囲まれてるから消えようがない。
怖くなって母親にスピードを出してもらい早く家に着くことにしてもらい無事に着いた。
翌朝日曜日になると、母親が高熱を出して寝込んでいることに気づいた。
俺が生まれてから今まで母親が体調を崩していることを見たことがなかった。
元々この家系はインフルエンザにもかからないし、学校もみんな皆勤賞だったタフな家族だ。
なのに突然母親が体調を崩した。さすがにやばいと思って父親が病院へ連れていった。
検査の結果ただの風邪で、その日には治った。今はピンピンしていて特にその日以来何事も起こらなかった。
後になってその元火葬場に詳しい友人に聞いてみると、
1年半ほど前、ある老夫婦がいたらしい。老夫婦は登山や山菜取りが日課だった。ちょうどその頃は山菜取りシーズンで毎日のように山菜を取っていた。
たまに元火葬場の近くの山にも来たらしい。
しかし、おばあさんは事故で死んでしまった。
だがおじいさんはそれでも山菜取りを辞めなかった。いつも「ばあさんのため」と言いながら。
その何日かしたあとおじいさんは元火葬場の近くの山へ軽トラで向かい1人で山菜取りをしていた。
しかし夢中になりすぎて気づいたら辺りが暗くなり、迷った挙げ句元火葬場の場所に出てしまった。そこで心霊スポットを巡っているチャラい兄ちゃん達が車で暴走していた。
それに運悪く出会って、幽霊だと思われひき逃げされたらしい。
長文ありがとうございました。
最後に、
火葬場と軽トラあんまり関係なかった(笑)
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怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話