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短編2
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黒い影

私の一番古い記憶は、泣き叫んでる記憶です。

髪を引きずられ、柱に頭を叩きつけられ、木刀で嫌と言うほど殴られました。

理由は些細なことが多く、例えばうつらうつらと居眠りをしてるだけで殴り付けられる、といった具合です。

物心ついた時から人の顔色を窺うのが当たり前の性格でした。

私は人と話すのが上手にできません。

クラスの子が悪気無く私をからかうだけでも私の心は深く傷つき、そんな弱い私ですからクラスから浮き始め、誰からも構われなくなりました。

一部の人からはイジメと言って差し支えないような事もされました。

家でも学校でも居場所の無かった私は、常に現実逃避をするのが当たり前になっていき、別世界に強く憧れるようになりました。

そんな私の精神状態が幻覚を見せたのでしょうか。

黒っぽい影がまとわりつくのが見える様になりました。

私自身ではなく、私に害を加える人達にです。

黒っぽい影が人に憑くのが見える時、その人は私に悪意を剥き出しにするのです。

良いものか悪いものか判りません。

しかし、黒い影が見えるようになってからは、誰かにその影がまとわりついてる時はできるだけ避けるようにしたお陰で、少しだけ悪意からは遠ざかることができるようになりました。

今現在も、その影が見えることがあります。

今は接する方々も皆、大人なので、例え私の事が嫌いでも態度に出す方はいません。しかし幼い頃の経験のせいで、黒い影が見えてしまうと、どうしても身構えてしまいます。

決して他人に心を開けないので親しい友人も一人もいません。

正直、こんな人生になったのは幼い頃の折檻のせいだと、どうしても恨んでしまうのです。

因果応報、という言葉を良く耳にします。

私の辛い経験も、何かの因果なのでしょうか。

最近、偶然このサイトを見つけました。色々な興味深い話も読ませて戴きました。そんな中でふと考えたのです。

実はこの黒い影は私自身の心の表れなのかも知れない。恨みの気持ちが形となって現れたのかもしれないと。

とすれば、私に因果が廻って来たように、私に対して体や心に傷を負わせた人達にもやがて廻るのかもしれません。

その時、私の恨みは晴れるのでしょうか。

その恨みが晴れた時、また新たな因果が廻って来るのでしょうか…

幼少期のトラウマが原因で心を病んでしまうケースもあると聞きます。

私もそのケースの一例かもしれないということを念頭に置きつつ書き込ませて戴きました。長文申し訳ありませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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