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短編2
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「墓地」

「ねぇ、Sちゃん。この近くにある心霊スポット行ってみない?」

学校の休み時間、私は同じクラスの友人のSちゃんに声をかけた。

「えっ、心霊スポットってここら辺にあるの?」

Sちゃんは突然の私の一言に驚いていた。

「ええ、この近くにある墓地って結構有名よ。」

私はニッコリと微笑みSちゃんに言った。

その後、私が説得するとSちゃんは

「いいよ。」

と仕方なさそうに微笑み了解してくれた。

その次の日曜、私とSちゃんは心霊スポットと噂される墓地に行った。

待ち合わせの場所には私よりも早く来たSちゃんが立っていた。

Sちゃんは最初は仕方なさそうにしていたけれどなんだか、私よりも楽しみにしているようだった。

「じゃあ行こうか???」

明るいとはいえ誰も居ない、しんとした墓地を怖く感じた私は、ギュッと隣に居るSちゃんの手を握り、

「Sちゃん、怖かったら手を握ってもあげても良いからね。」

と言った。実際私のが怖かったのですが……。

Sちゃんはクスクスと笑い、私と一緒に墓地を進んでいく。

墓地をかるく見ているうちにお線香の匂いがしてきて

「ねぇ、何だか変なにおいしない?お線香かな?」

Sちゃんが私も思っていたことを言ったので

「誰か御参りにでも来たのかしら?」

と訊くと

「そうらしいね。」

とSちゃんと言ってた。けれど進んでも進んでも誰も見えてこない。

(もう帰ったのかしら?)と思っていると墓地を一回りし墓地を出た。

私はまだ時間があると言う事でSちゃんの家に行く事にした。

「あの墓地何にも無かったね。」

出されたジュースを一口飲み、私はにっこりと微笑んだ。

「うん、ほんと。貴女あんなに怖がってたのに何も無かったね。」

「怖がってなんか無いわ。」

私は焦りながら反論して元の話に戻すため、

「お線香の香りがしただけで幽霊は全く見なかったわね。」

と私が言うとSちゃんは笑いながら

「ほんと、仕舞いには普通のおばあさんが出てきちゃうし。」

笑いながら言うSちゃんの一言に私は凍りついた。

だって墓地に行ったとき私は誰も見なかったのだから。

「えっ。墓地では誰も見てないわ。墓地どころか墓地の前のとおりでも人を見てないわ!」

驚き、私は大声を出すと。

驚いた様子でSちゃんは

「なぁんだ。あの人おばあさんも幽霊だったんだ。」

ととても可愛らしい顔で微笑んだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 花たまごさん  

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