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短編2
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電気をつけたのだぁれ?

去年の秋、私は持病悪化のため、N市にある某病院に3ヶ月入院した。

この話は、そんな入院中に起きた出来事である。

ちょうど去年の今ごろだっただろうか。私は朝早くに目が覚めてしまい、なにもすることがないので、ベッドの枕の近くにある電気をつけた。

その時間、同室だった他の3名の患者さんはいびきをかきながら眠っている。喫煙所はまだ開かないし電気をつけたらいけない時間帯だったのだが、若い私はそのようなことを気にすることもなくゴソゴソと起き出し電気をつけた。

私は、暇潰し用の車雑誌をパラパラとめくっていた。 そして、いつの間にかまた眠ってしまい、朝を迎えた。

しかし、なにかがおかしい。私はなんとなくだが腑に落ちないと感じた。なにかを忘れているような気がしてならないのだ。気になって気になって仕方がない。

すると、朝食の時間を告げるアナウンスがあった。

楽観的な私は、(気になるけど、お腹も空いたしホールへ行くか)と、その“腑に落ちないこと”は忘れて、そそくさとホールへ行ってしまった。

今にして思えば、このときの“腑に落ちないこと”が、悪夢の始まりだったのかもしれない。

その日は何事もなく、自身の症状も安定しており、比較的楽に過ごした。

そして夜の帳が降りる。

夕飯、服薬、歯みがき、喫煙、テレビ、雑談……。いつものように夜は過ぎていく。

そして、消灯時間。

皆、ベッドに潜り込み、グーグーといびきをかいている。私は一旦眠ったのだが、深夜2時ごろ、お手洗いのために目を覚ました。

深夜の病棟は暗くて静かだ。お手洗いの中も水滴が垂れる音しかない。私は用を足して病室に戻った。

すると、あることに気づく。

私のベッドの回りだけ異様に明るいのだ。もちろん、電気をつけてはいない。

内心(おかしいな)と思いつつ電気を消した。そして、再び眠りに落ちた。

巡回の時間なので、午前4時ごろだったと記憶しているが、気づくと私の前に看護士さんが立っている。何事かと思い、ふと瞼(まぶた)を開けると、なんとまた私のベッドの回りだけ明るいではないか。看護士さんはそのことを注意しに来たようだが、私はハッキリと「電気は消して寝ました」と言った。しかし、現実に電気がついているのは私のベッドの回りだけ。

昨日のこともあり、少し不安になって看護士さんに訊いてみた。

返ってきた答は……

「病院ですから……」。

怖い話投稿:ホラーテラー 2696さん  

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