「んで、そん子達とどご行った?」
私は沼の事を言っていいのか躊躇いましたが、私が言う前に弟が言ってしまいました。
「沼?!お前ら沼に行ったのか!!」
祖母はいつにも増して大声で怒鳴りました。私はビンタも食らいましたが。
そして祖母は頭を抱えて唸っていたかと思ったら急に立ち上がり、外へ出ていってしまいました。
母も流石に訳が分からずポカンとしていましたが、すぐに私達に風呂に入って寝るように言うと母も祖母を追って出ていってしまいました。
仕方がないので私と弟は母親の言う通りに布団に入り寝てしまいました。
翌日、朝早くに母に叩き起こされ何事かと部屋を見渡すと村のご老人何人かが深刻そうな顔をして私と弟を囲んで立っていました。
私達は寝起きと驚きで呆然としていましたが、母が私と弟に着物を渡してすぐに着替えるように言いました。私は訳が分からないことと寝起きで機嫌が悪いのでぶすっとした顔で
「一応年頃の娘何ですが…」
とご老人を睨み付けました。
母はこんなときに乙女もへったくれもない!と私の頭を思いきり叩いて着物を押し付けました。
着物に着替えるとなんだが巫女さんのようなつくりで普通の着物じゃないことに私は首を捻りました。
弟も神主さんみたいな変な服で着心地が悪いのか仏頂面でした。
そして朝ごはんも食べさせて貰えないまま母に連れられて森の前まで来て来ました。
森の前には陰陽師みたいな格好をした人とお坊さんみたいな人たちが9人~10人くらいと祖母がいました。
「きたか…あれがうちの孫です。」
祖母が陰陽師っぽい格好をした人に言うとその人はにっこり笑って私の方へ来ました。
「大丈夫だから、心配しないでね。」
何が大丈夫なんだ、と思いましたが、その人は続けます。
「沼に行ったのは君たちあだけ?」
「えと、私と弟と隣村から来たと言う少年4人です。」
「沼にはどの辺まで行った?」
「沼の淵まで行きました。」
ここで陰陽師っぽい人の表情が険しくなった。後ろの坊さん達もちょっとざわつく。
怖い話投稿:ホラーテラー どぶネズミさん
作者怖話