私はこの前「金縛り」を投稿した者です。
大阪転勤になり、もぅ3年目。
既にこっちの生活にも慣れ、実家の横浜には年に数回帰るくらいに減っていた。
今年の冬は特に寒い。「親父の身体にも堪えるだろうなぁ。」
父は肝硬変を患い、入退院を繰り返す日々。その年の暮れはちょうど退院して、実家にいた。
「ただいま!!」
私が大阪から帰ってきた。
「おかえり!!」
やっぱり実家はいい。待っている家族がいる。
居間に入ると・・・。
びっくりした。ほんの数か月の間で、人がこんなに変わるのか。
父の顔はやつれ、足は浮腫んで立てないほどまでに悪化していた。
言葉もはっきり聞き取れない。
その日の夜、母から「もう長くないかもしれない。」
私は悲しい気持ちになった。
それから2週間後、虫の報せだったのか・・・滅多にないが、仕事の関係で東京出張が決まった。
この前実家に帰ったばかりなので、ホテルに一泊することにして、その夜は高校時代の友達と飲みに行った。
翌朝、ホテルから客先に向かおうとした時、母からの電話が・・・。
そのまま、病院に直行した。
私が一番早く病院に着いた。
そこには、酸素マスクをした父が目を大きく開け、息を荒げていた。
苦しそうだ。
それから母が到着。
続いて、4個下の弟が到着。
家族が揃ってから、担当医から病状の説明が別室で、
「今夜がヤマでしょう。最後まで声を掛けてあげてください。」
5、6個くらい病気が併発していた。
父に声を掛けると、「・・・あ・・り・・・が・・・・・と・・・。」と微かに聞こえた。
もう限界だったのか、自分で酸素マスクを外そうとしていた。
涙が出た。
止まらない。
父は、かなり長い時間走り続けていたと思う。
その晩の21:30頃、長時間走っていた父の足が止まった。
家族皆で、「お疲れさま!」と最後に声を掛けていた。
怖い話投稿:ホラーテラー ゴリ吉さん
作者怖話