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短編2
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最後のお別れ

今回は私の祖父母が亡くなった時の話をさせて下さい。

数年前のお正月明けに、それまで数年間入院していた祖母が亡くなりました。

残念ながら死に目に会うことはできなかったのですが、その時、自宅で病気療養中の祖父に祖母の死を報せる役目を請け負いました。

病気で臥せっている祖父にこの話をするのは気が重かったんですが、祖父の答えは意外なものでした。

「さっき肩を叩かれたから、ばぁさんが挨拶に来たって判ってたよ。」

そんな祖父も、祖母の49日が過ぎた頃に息を引き取りました。

仲の良い祖父母でしたので、長年に渡って病を患っていた祖父を迎えに来たのかな…と、ここで終わればほのぼのした話で済んだんですが…

最初の異変は、病院で息を引き取った祖父を自宅へ迎える直前。

祖父の部屋から本を探す音が聞こえたのです。

勿論、部屋には誰もいません。

本が大好きな祖父でしたから、家族と「読みたい本でもあったのかも。棺に一緒に入れてあげよう」という話になりました。

次の異変は祖父を葬儀の会場に送り出すとき。

入院中も使っていた祖父の目覚まし時計が突然鳴り響きました。

祖父は病気の為、体が思うように動かないので、入院中は他の方にご迷惑を掛けないよう、目覚ましをセットする場所をガムテープでしっかり止めておいたのですが、それにも関わらず鳴り響きました。時間は14時位だったと思います。

その後、葬儀も終わり帰宅したのですが、その後も玄関のドアノブをかちゃかちゃ回す音が一ヶ月位続いてたと思います。

そして49日も過ぎた頃…

「ピンポン…ピンポン」

突然チャイムの音が鳴り響きました。

来客を知らせるものではありません。

家族皆で音の出所を探すと…

それは、生前祖父母が使っていた「あるもの」でした。

祖父母共に体に病気を抱えていた為、夜中に万が一具合が悪くなってしまった時に他の家族に知らせるためのチャイムだったんです。

おじいちゃん、おばあちゃん、逢いに来てくれるのは嬉しいけど、心臓に悪いです(笑)ビックリしすぎて私がそちらに逝ってしまいそうです(汗)

ここまで打ってふと思ったんですが、そのチャイムの後は異変は起きて無いので、もしかしたらあのチャイムが最後のお別れだったのかも…と少し浸ってみました。

もう少しで祖母の○回忌。

もしまた逢いに来てくれるなら、極力驚かせない方法で知らせて欲しいです(笑)

全く怖い話じゃなくて失礼しましたm(__)m

怖い話投稿:ホラーテラー seaさん  

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