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中編3
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いなかったよね?

今から11年くらい前、息子が4才の時の話しです。

うちの近所は 400円~500円くらいで入れる温泉が結構あって、広いお風呂が大好きな息子と一緒に ちょくちょく入りに行ってたんです。

その日は 妹といとこと息子とあたしの四人で、温泉に入りに行きました。

季節は夏で 夕方4時くらいだったかな?

で、その温泉施設はかなり広くて、旧館と新館が渡り廊下でつながっている形で(旧館と言っても、そんなに古くはない)、露天風呂が旧館にしかないので そっちに入ろうってなった。

妹達とばか話しをしながら廊下をわたり、奥ばった入口に入って 『女湯』と書かれた大きな暖簾をくぐった途端…息子がクルッと後ろを向き、そのまま猛ダッシュで走って行ってしまった!

突然の事に驚いて、一瞬ボー然とするあたしと妹達…

『……あっ!ちょっと!どこ行くの!?』

やっと息子が逃げた事に気づき 後を追うあたし。

『ちょっと!待ちなさいってば~!』

と、走りながら叫んでも、息子は脇目もふらず 全速力で走って行く。

このままでは 受付も玄関も通り越して、外に飛び出してしまう…!と思った時、近くにいた人が 息子を止めてくれた。

助かった~(´Д`)ハァ

その人にお礼を言ってから、

『なんで急に走り出したりすんの!』

と叱り付けた。すると息子は 目に涙を一杯ためて

『絶対に入らない!入らないもん…』

と今にも泣き出しそうになっている。

はぁ?なんで?さっきまで あんなに楽しそうにしてたのに(-.-)

すると後を追いかけてきた妹が息を切らしながら

『もう…あっちに戻るのしんどいわ~。新館のに入ろうよ』

と言うので、露天風呂はあきらめ、新館の方に入る事にした。

あんまり息子が嫌がるようなら、今日は入らなくてもいいか…と思っていたが、予想に反してすんなりと入り、と言うか 自分から服を脱ぎ、大喜びで入って行って拍子ぬけしてしまった。

お湯に浸かりながら、

『さっきの大騒ぎは なんだったんだかね~。』

『本当ね~。マジ疲れたし!』

と妹と話していると、いとこが息子に

『ねぇ、Y~。なんでさっき、走ってっちゃったの?』

と、聞いた。すると息子が

『だって鏡の前に、怖い顔したおっきいおばあちゃんが いたんだもん…』

鏡は、暖簾をくぐったら目の前だった。そして右を向くと脱衣所。

だけど誰もいなかった…はず。

無言で妹と目を合わす。

『居なかったよね?…誰も…』と、妹。

だよね~(-_-)と、頷くいとこ。

『いたよ!いたんだよ!ママが1番最初に入ったでしょ?

もう少しでぶつかっちゃう~ってとこに、いたんだよ!そんで、頭のてっぺんを覗き込むみたいにしてた。』

それを聞いたあたしたちは顔面蒼白。

そんな近くに…?しかも、どんだけデカイばあさんなんだか…!

ホンット聞かなきゃよかった(T_T)と思った体験でした。

長々と書いちゃって、すみませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー うさぎさん  

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