今は健康そのものにしか見られない私ですが、幼少時は本当に病弱でした。
入退院を繰り返す生活で、心霊現象のようものも、幾つかはありました。
そんな中で今回は、比較的ライトな…笑い話をお送りします。
その日、半年の入院から帰って来た翌日。
私は久し振りの自宅のベッドで、心地よく起きたのでした。
朝陽が差す窓を見上げると、そこには…生首…でしょうか?
無表情に見下ろす握り拳大の中年男性の顔が、カーテンレールの横に乗っていたのです。
しかし私はその頃には既に、心霊現象のようなものにはそれなりに、耐性が付いていました。
しかしそれより何より、私は…病的な低血圧だったのです…。
(いえリアルに病気だったのですが)
寝呆けた私の口から出た言葉は、
「嫌っ…、痴漢…」
次の瞬間生首は消えました。しかしその時の表情は忘れられません。
驚いたような…、狼狽えたような…。
霊でもやはり、前も後ろも分からないような12歳の幼女に、痴漢扱いされると、プライドが傷付くのでしょうか。
しかし幼いと言っても中学生、一応は青春時代です。
寝室に忍んで来た男性を避難しても、罰はあたりませんよね…?
怖い話投稿:ホラーテラー 今はおばちゃんさん
作者怖話