私の地元には地元の人には有名な心霊スポットがあります。
通称「子捨ての池」
昔、障害を持って生まれた子や奇形児などの子供が生まれた時、その池に捨てていたそうです。
池のほとりには小さな祠があり、そこには人形や手鞠など小さな子供が喜びそうな物がそなえられています。
地元の大人達は暗黙の了解を取っているかのように皆口を揃えてあの池には行くな、と言います。
だのになぜ私が池の祠の事を知っているのか、というと実の所大人達があまりにも執拗に池の事を言うものだから、気になってクラスの勇者数名と池に行ってしまったからです。
皆さんは知っていますか?昔いい家に引き取られた子は座敷わらしに。野晒しで死んだ子はカッパになった、というもの。
確かにその通りだったかもしれません。私達が見たものは…。
まずは行ったメンバー紹介ですが、サル、ブタ、ネズミ、犬(←俺)です。あだ名がそうだからやつらが見てたら殺されるかも(笑)
私達が行こうと決めた学校帰り、クラスで一番目立たない地味な女子…厚底メガネが声をかけて来ました。
「行かない方がいい…危ないよ…絶対に行っちゃっダメ……」
その子は普段無口なのに必死に私達に訴えました。しかし私達はもう池の事しか考えておらず、その女子を突飛ばして行こうとしました。
女の子は無表情に私達を見ると、とぼとぼと反対側に歩いて行ってしまいました。
少し心が痛みましたがメンバーはもうハイテンションで、他に何も邪魔する物はなく無事池までつきました。
池はヘドロのような状態でなにも見えない。おまけにヘドロからか辺りに腐った卵的な悪臭が漂っていました。
皆で悪態をつき、サルが石を池に投げ入れたりしていると、ブタが祠を発見しました。
祠なんて私達は初めて見たもんだからベタベタと触ったり覗いてみたりとにかくいろんな事をし終え、ふと振り替えるとネズミが池に祠にあった人形を投げ入れているではありませんか!
流石に後味が悪いのと良心が耐えきれなくなり、ネズミの肩を掴みました。
「おい、なにやってんだよ!止めろよ!!」
しかしやめるどころかサルブタまで参加する有り様で。私はなすすべもありませんでした。
やがて祠は寂しいかな空になってしまいました。
つづく
怖い話投稿:ホラーテラー 狛犬さん
作者怖話