今回は高校の頃にあった話
霊と言うか妖怪というか…
怖くないんで恐怖系をお探しの方はスルーで
長くなるんで続きモノです
すんません
俺が高校の頃バイトしてて
10時に終わり
帰宅は11時位だった
その日はバイトが終わり、仲間と話し込んでしまって気付いたら
11時過ぎてて慌てて仲間にサヨナラして急いで帰った
俺の父は厳しい人で門限過ぎると家に入れてもらえない
そして学校以外外出禁止令&一ヶ月毎日皿洗いの刑が執行される
その頃の門限は12時
時刻は11時35分
バイト先から家まで歩いて40分
ヤバイWWW
まぁ走れば間に合わないでもない
俺は走った
体育祭でも使わなかった本気を帰宅する事に使い目一杯走ったWWW
公園が見えれば家は目と鼻の先だ
時刻は11時53分
速い!!!wwww
なんとか間に合いそうだから歩きに変えた
落ち着いてきて
何気なく公園を見ると植え込みから猫が頭を出し俺を見ている
「うはWwwにゃんこだWww」
猫好きで単細胞の俺はナデナデしたくなり
植え込みに近付いた
「見掛けない顔だなWWW可愛いヤツめwwww」
単細胞の俺は猫に話かけながら耳の裏をカリカリかいてた
『……ヒュー…ヒュー』
触っていた猫が鳴いた
猫の声じゃない
喉に穴が空いていて声が出ず漏れ出すような…
そんな音を猫は出した
思わず猫から離れた
ガサガサガサ
植え込みから猫が出て来てもう一度鳴く
『ヒュー…ヒユーヒュー……ヒユー』
ソレは猫じゃなかった
頭は猫なんだけど
身体は鶏
鶏の尾の辺りから蛇みたいな(暗くてよく見えなかった)長細いモノが生えてる
不気味なモノ
存在を理解した瞬間
情けないが
叫びながら逃げるように家に向かって走った
物体は追って来ないが
耳元で『ヒューヒユー』と不気味な音が聞こえて俺は泣きそうだった
急いで家に駆け込む
息が上がって苦しい
玄関には父が険しい顔して
父「…12時3分…まぁ今日は急いで帰ってきたみたいだし、特別に許してやろう…次1分でも12時を過ぎたら……わかってるな?」
俺「ハァハァ…ああ…ハァ…」
返事をするのもやっとの位
息が乱れてた
嫌な汗もダラダラかいてた
2階の自室に戻りベッドに寝転んだ
やっと心臓が落ち着き
だんだん冷静に考えられる余裕が出た
なんだったんだアレは…
思い出すのも忌ま忌ましい姿と鳴き声
頭が痛いし耳鳴りもする
ベッドに寝転び天井を眺めながらアレについてボーっと考えてた
『ガサガサガサ…カツ…』
天井から音が聞こえた
鼠か?
『カツカツ…カツカツカツ…カツカツカツカツカツ…カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ!!!!!』
いや
二本足のナニカが
最初はゆっくり
だが次第に駆け足になり
天井の上を
俺の真上を
グルグル走り回ってる音だ
『ヒューヒユー…ヒョーヒョー…』
アイツの鳴き声まで加わり
頭痛&耳鳴りは我慢できない位ピークに達した
自室に天井の上だけど
一緒の空間に二人だけでいたら
どうかなりそうで
自室を飛び出し
一階の皆がいる居間に向かった
ドドドドドドドド!!
階段を転がるように降りると
カツカツカツカツ!!
アイツもついて来る
居間に飛び入り勢いよくドアを閉める
妹「兄ちゃんドタドタウルサイ」
俺「あ?あぁスマン」
部屋には妹と猫二匹で両親はいなかった
俺「親父達は?」
妹「お父さんは寝たよ。お母さんは知らな〜い…そこら辺にいるんじゃん?」
俺「そっか…」
まぁ誰もいないでアイツと二人よりはマシだと思い少し落ち着く
そばに寝転んでた猫(撫子♀)を撫でようと手を伸ばす
『フゥゥゥゥゥゥウ!!!』
威嚇された
撫子に拒否されたのは初めての事だからかなりショックだった
妹「撫子が兄ちゃんに怒ってる…珍しいね…」
俺「撫子どーしたんだよ?」
妹「クサイんぢゃん?Wwwお風呂まだでしょ?早く入ってきなよ」
俺「クサイwwwwマジで?Www」
冗談っぽく手の臭いを嗅いだら
マジで臭かった…
今の今まで気付かなかったのがオカシイ位
腐ったような酸っぱい臭いがした
アイツを触ったからか?
妹とのやり取りで落ち着きかけた心臓がアイツの存在を思い出し暴れ出す
とりあえず風呂に入る事にした
恐る恐る廊下へと続くドアの外を見ると
いた…アイツがいた
階段下の猫用餌皿から水を飲んでる
俺の視線に気付くと水皿から顔を上げて俺に顔を向けた
しばらく睨み合いと言うか
俺が動けなかったんだ
妹「どしたん?行くなら行けよWww」
妹の促す声がして
俺が妹の方を向いた隙にアイツはいなくなってた
嫌だが
とりあえず風呂に向かうか…
とりあえず風呂に入ろうと脱衣所へ向かった
相変わらず後ろから
カツカツカツ…
と不快な音がついて来る
ここまでの所俺に害はない(物凄く嫌な気分になるが)
危険なヤツではないのかも?
水を飲んでた
(ばぁちゃんが言うにはお供え等は気持ちを物に表して捧げるものだから霊は実際にお供え物を食べる飲むということはあまりしないらしい)
ということは実体があるのか?
霊(精霊etc)的なものではないのか?
現実世界にいる生物?
頭が猫
身体が鶏
尾が蛇
現実にいるわけない奇妙すぎる…
アイツの存在をイロイロ考えながら
服を脱ぎ
風呂に入る
カツカツカツカツカツカツ…
脱衣所をグルグル回る足音が不意に止んだ
風呂から脱衣所へと繋ぐ磨りガラスの扉を見ても陰が見えない
いなくなったのか?
そう思ったら凄く安堵した
それから落ち着いて湯舟にゆっくり浸かって鼻歌なんか歌ったりお風呂タイムを楽しんだWWW
さぁそろそろ出るか
湯舟から上がろうと立ち上がると
『ヒョーヒョー…ヒョーヒョー』
音の出所は天井
風呂場の天井に
普通に地面に立ってるかのように
重力無視してへばり付いている
情けないことに俺はびびって
湯舟の中に尻餅をついた
尻餅を付いたまま
アイツから目が話せなくなって
蛇に睨まれた蛙状態
『ヒョーヒョー……ヒュー…ヒユー……ヒュオ…エッ……シデ…ヒュ…ス-…イイナ?』
アイツがなんか喋ろうとしてるのはわかった
『イイナ?』とは了解の意味なのか?
だが何を言いたいのかわからない
穴から音が漏れるように音がスカスカで聞き取りにくい
俺は逃れたい一心で「あぁ」と答えてしまった
アイツは俺の返事を聞き
2、3度繰り返すように言いながら消えたが最後まで俺には何と言っているのか解らず仕舞いだった
風呂から上がるとアイツの気配はもうなかった
撫子はいつものように少しだけ撫でさせてくれた
大和は俺をさけた
アイツはなんだったんだ?
何て言ったんだ?
大和の態度の意味は?
疑問が残るがアイツが消えたんだったらヨシとするか
って事で気持ちを立て直そうとしたが
結局モヤモヤした気持ちで寝た
大和&撫子のいない腹は寂しく
存在が
温かな温もりが欲しくて
妹のぬいぐるみを勝手に拝借して腹の上に乗っけて寝たwww
夢にアイツが出て来た
もうヒューヒユーは言ってない
ハッキリとした甲高い妙な音で俺に言った
『オマエノイノチニジュウハチデオワル…イイナ?』
夢から覚めた
嫌な汗ぐっしょりで
涙がポロポロ出た
ニジュウハチ…28歳で俺死ぬの?
返事しちゃった…
どうしようどうしようってパニックになって発狂しそうになった
発狂寸前ってトコで
『にゃぁ』
って大和が擦り寄ってきてくれた
動物は人間と違って何を考えてるかなんて表情に表さないけど
長年の相棒の
大和の感情は
言いたいことは
俺には通じる
寂しげな瞳だった
『にゃぁ』
大和を抱き上げ抱きしめる
暖かい温もりを感じ冷静に
『大和の最期を看取るまで俺は死ねない!』
そう考えたら自分がやるべき事がわかってきた
情けないが
ばぁちゃんに電話だwwww
ばぁちゃんに話したらばぁちゃん泣いてた
アイツは鵺[ヌエ]と言う妖怪というか化け物の一種らしい
鵺については災いをもたらすとか
不幸の象徴とか
よく解らないモノらしい
俺が見たのは『頭が猫身体は鶏尾が蛇』のヤツだが
鵺には『頭は猿身体は狸手足は虎尾は蛇』の姿をしたヤツもいるらしい
気付いてやれなくてごめんなぁって方言の強い言葉で何度も言われた
ばぁちゃんがなんとかする
お前は28なんかぢゃ死なないって強く思え
鵺を跳ね退ける心を持てってさ
それからばぁちゃんから荷物が届いた
中身は手紙と破魔矢
手紙は相変わらず達筆すぎて読めなかった
鵺退治には破魔矢だそうで
俺の部屋に置いた
ばぁちゃんは
やれるだけの事はやる
ばぁちゃんを信じろ
生きろ
って言ってくれたから
俺はばぁちゃんを信じて生きてる
後数年で28になるが…
俺は大和撫子がいるかぎり
死ねない
死なない!!
オチもないし
皆には怖くない話だが
駄文付き合ってくれて
ありがとうございました
怖い話投稿:ホラーテラー 黒ネコ大和さん
作者怖話