俺は深夜にバイクで走るのが好きだ。交通量も少なく気持ちよく流せる
街中では夜景が俺の横を流れてゆく、街をぬけると海岸沿いを岬まで、運が善ければ朝日に出会える。
そこで飲む缶コーヒーとタバコは最高だ♪
だが、その夜は違った
道路沿いに変な物?者?が何度も目に飛び込んでくる
俺は、もともと霊感が強いが、定期的に霊感が更に強まることがある
ここまで見える日は珍しいな…と思いながらバイクを走らせていると…
交差点に居た女の霊が猛スピードで追いかけてきた!
関わらないのが一番だと思い、バイクを加速させた
諦めたか、女の姿は消えた
こんなに幽霊が見える日は早めに帰宅するかと思い家路につくことにしよう
街中は霊が多かったので、遠回りだが郊外の道を通り、家へと向かう経路を選択。これが失敗だった…
郊外は街灯も少なく嫌〜な雰囲気を漂わしている
きつめの左コーナーを曲がりきろうとしたときだ
大量の火の玉がバイクの目の前に!!
やべぇ!火の玉を避けた!バイクがハイサイドに…立て直せない…やっちまった…
勢いよく転倒………
起き上がろうと、空を見上げたとき…
顔面血だらけの頭が不気味に俺を覗きこんできた!」
首から上しかない…死霊だ…!
その場から急いで逃げようとバイクをおこしてエンジンをかけようとするが、なかなかかからない…
焦るな、焦るなと自分自身に言い聞かせるが、虚しくセルがまわるだけで、一向にかかる気配はない…
以前、お祓いが出来る友達が、祓い方を教えてくれるって言ってくれたとき、断ったのを思い出した…今更、後悔しても遅いな…
死霊の数がどんどん増えてきてるよ…
一人や二人じゃない…
あっという間に死霊の集団に囲まれていた
さらに道路脇からもゾロゾロと増え続けてくる
頭だけの奴、胴体だけの奴、首を落とされ、上下バラバラの死霊ばかり…恐ろしい…
この数は何なんだ…
俺は、その場で凍り付いてしまった
死霊達が俺の体中に纏わり付いてくる
臭っ!酷い悪臭だ…
痛っ!爪で掻きむしる奴がいる
噛み付いてくる頭がいる
意識が薄れていく…
痛みも感じなくなってきた…
ぁぁぁぁ…このまま死んでいくのか…いつものように街中を帰ればよかったのか……
カ…カラダ中が痛い…
道路沿いの草むらで意識を取り戻した
事故って悪夢を見ていたのか…?
バイクは!?あれ?、スタンドも下ろして歩道に停めてある
御丁寧に、タンクの上にメットも置いてある…
とりあえず帰らないと…
バイクにまたがりセルを回すとエンジンもスムーズに吹き上がる
あれは何だったんだろう…?考えれば考えるほど不可解な現象だった
家に無事に到着して、皮ジャン、パンツを脱いだ……爪の引っ掻き跡に、噛み付いた跡がついている…全身血まみれだ…皮ジャンには跡は残っていないのに、身体だけにに…傷か……
あれは現実だったんだ…今更だが恐怖に身震いした…
シャワーを浴びて全身の血を洗い流す、ピリピリして手で軽く洗うので精一杯だ。
傷は浅いが全身に傷だらけだった。
体に消毒液をつける、し、し、み、るぅ…痛い…
取りあえず、身体中にワセリンを塗り綿100%の下着を着て包帯の代わりにした
仕事は休めないので、痛む身体を励ましながら出勤。仕事も無事に終えて帰宅できた
仕事中も昨夜の出来事が何度も脳裏を過ぎる。
死霊が寄ってきたらまずいと、出来るだけ考えないように努力したけど…ね
あのおびただしい数の死霊は?あの辺りで何かあったのか?
俺は仕事で、この地方に越してきたので、この辺りのことは余り知らない…
家に一人で居るのも怖いので、夜ご飯を食べに、行きつけ居酒屋に行った
ケガをしている時に酒はいけないのだろうけど、ビールがやけに旨い♪
少し酔ったせいか、常連客のオッサンに、昨夜の出来事を冗談のように話してみた
いつも酔っ払って、ふざけたエロトークをしているオッサンが突然真顔になり、あそこで幽霊と会ったのかい!?俺は若い時からトラックに乗ってたから、噂には聞いてたがな…
「別れの街」知ってるかい?
そんな地名なんて聞いたことないけど…
「別れの街」
昔、罪人などの首を切り落とす場所があった街
街は、何ヶ所もあったらしい
今でも街で不可解な現象は続いていると…
真偽は定かではないが、オッサンは、街でおこった怪奇現象を熱く語ってくれた。
あれから、何度も、あの道(街)を通ったが、死霊に襲われることはない…
オッサンが教えてくれた「別れの街」は数ヶ所あった
地名に〇別町、別〇町、必ず「別」という文字が入るらしい
もちろん、ほとんどの町では首斬りが行われていた事実は無く、違う意味の「別」だが、判別のできない俺は、「別」の地名を見ると緊張して、いっきに走りぬけていたよ…
昔話しに最後まで付き合ってくれてありがとね♪
俺の駄文には誤字脱字があるだろうから、先に謝っておくよ…スマン
怖い話投稿:ホラーテラー Joker参上さん
作者怖話