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短編2
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祖母がくれた命

私は、おじいちゃん・おばあちゃんっ子だった。

両親は二人の弟を溺愛していて、父親は私を疎んじていて、精神的にかなり痛めつけられた。

それを知ってか知らずか、祖父母は私に優しく、私は祖父母の笑顔が見たくて頑張っていた。

そんな優しい祖父母も、私が二十歳の時に相次いで亡くなり、私は家族の中で浮いた存在になりながら、働いて同居しながらも会話もあまり無い生活をしていた。

そんな生活をしていた28歳の春、私は立っていられないほどの体の怠さと高熱にみまわれ、仕事を休んだ。

最初は風邪と診断されたが、一週間経っても怠さはとれないし、熱も下がらない。再度病院に行って、血液検査を受けた。

診断結果は、ウイルス性の病気で白血球の数値が異常。白血病の一歩手前だった。

とにかく休んだ日から、全く食事がとれなかった。飲み物を飲むだけ。

病院で処方された解熱剤を服用したが、何度も着替えるほどの汗をかいた後は、コタツを「強」にして潜り込んでも、寒くて震え、歯はガチガチする。熱をはかっても、38度以下にはならない。

寒さの怖さと、効果が無いことから服用もやめ、ひたすら寝ていた。

同時に、自分はこのまま死ぬな…と思っていた。

食事はとれない、熱は下がらない、生きていけるわけがない…やがて来るであろう死を、待っていた。

2週間が過ぎたある日、夢を見た。

祖母が優しい笑顔で私を見ていた。

触れることも、話すことも出来ないと感じていたけど、私は嬉しくて泣いた。

泣き続ける私を、祖母は優しい笑顔で見ていた…。

翌朝起きると、怠さは軽くなり、私は3週間ぶりに少しだが食事をとった。

そこからは劇的に回復し、熱も平熱になり白血球の数値も普通になった。

仕事にも復帰した。

私は、祖母が救ってくれたと思っている。だから、今は不器用ながら頑張って生きている。

今でも思い出す…祖母が亡くなる前の年の冬、県外の大学に行っていた私の帰省を待っていた祖母が、待ち疲れてコタツに入って座ったまま寝ていた姿を。

泣きそうになりながら、「ただいま」と言った私に、目を覚まして、

「ああ、帰ったかね。お帰り」

と微笑んだ祖母。

風邪ひくといけないから…と言う私に、

「ありがとう」

と言って、布団に入って寝てくれた。

私は自分の部屋に入って、声を殺して泣いた。

私の帰りを待っていてくれる、家族がいてくれたから。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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おばぁちゃんすごい優しい方ですね
感動しました!

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