いろんなキーホルダーがついた鍵を開け、私は部屋に入る。この部屋には思い出がありすぎてまた涙がこみあげる。
私はベランダに出た。外は暗くなり、寒かったはずなのに寒さなんて気にならなくて…私はまた静かに泣きながらあなたをせめる。…
ピンクで統一された部屋には不釣り合いな黒の遺影が一つ机の上に。その隣にはオレンジジュースと日記。二人で撮った写真が散らばっている。腹立たしい。
書きかけた日記の最後のページには、「ごめんなさい…あなたが置いて行ったオレンジジュースまだ机の上にあるよ。私オレンジジュース好きじゃないのに…けどあなたがくれた物だから捨てられない。
愛してる。
○○ごめんね。今までありがとう。」
これが最後の日記。
私は日記を手にとり、床にたたき付けた。何度も何度も…
日記から一枚の写真が落ちた。あなたの愛した人と私とあなたで笑う写真。
たばこを一本吸ったあと鞄の中からあなたの遺影を取り出した。前髪を切りすぎた時の写真。写真の中では幸せそうに笑うあなた。
あなたには私の声が届かなかった。
愛する人のためにあなたは私を置いて行った。
この部屋に私が来ることはもぅないだろう。
私はあなたの遺影をもう一つの遺影の隣に並べ部屋の鍵を閉めて部屋をでて屋上に向かう。
そして今私の最後の願いはあの部屋に私の遺影も並べてもらうことです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話