まだ辺りがうっすらと明るくなってきたくらいの時間に、寝ている私を母が乱暴に起こし
『行くぞ』
と言った。 わけもわからず、ついていく私。
母は私を連れて 家を出たのだった。
最初は母の実家に身を寄せた。私は初めて、おばあちゃんの存在を知った。
とても優しい人で、私の為にご飯を作ってくれたり お風呂に入れたりしてくれた。
母に殴られると、かばってくれた。
しかし一年後、母がマンションを借りたので 実家を離れなければならなくなってしまう。
泣いて祖母にしがみついたが、母との二人暮らしを余儀なくされてしまった。
今思えば、それまで母にされた事など 『少しいきすぎたしつけ』程度でしかなかった。
庇う人も、いさめる人もいなくなった時…母はやりたい放題 堂々と虐待するようになった。
気にいらない事があると、殴る蹴るは当たり前になったし 一晩中正座させられる事も珍しくなかった。
母は、酒を飲みながら時々様子を見に来て 私が少しでも足をくずしていたり、うとうとしていると 容赦なく殴り、タバコの火を押し付けた。
泣くとさらに殴られる。
飲み仲間と散々飲み騒ぎ、母が酔って寝てから ようやく私は眠れるのだ。
続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話