小学4年になって数ヶ月後、母が出産し 私に妹ができた。
素直に嬉しく思ったし、妹は可愛かった。
それと同時に、妹を私が母から守らなくては と考えていた。
母は子供を殴るものと思っていたから。
しかし母は、妹を可愛がった。
可愛い洋服を着せ、おいしい物を食べさせ、抱きしめ 驚くほどの可愛がりぶりだった。
いや、それが普通なんだろう。
私への虐待は ますます酷くなっていったが、妹が虐められるよりはマシだと思っていたし、妹を私と同じ目に合わせた時は 必ず母を殺してやると誓っていた。
確かに孤独感は増したし 悲しみは大きくなるばかりだった。
大事にされている妹が羨ましくもあった。
だけどそれ以上に、妹は私にとって大切な存在だった。
だからこそ その後の二年間、この生活を我慢できたのだと思う。
小学6年の終わり もう少しで中学生になるという頃…。
その日は突然やってきた。
この生活に終わりを告げる日が。
学校から急いで帰ると、私は掃除 洗濯 炊事を終わし、自分の宿題に取り掛かっていた。
すると母が、
『洗濯物のたたみかたが雑だ!』とか
『学校から帰るのが5分遅い!』
などと難癖をつけてきた。虫の居所が悪いのかな?と感じた私は、いつものように
『ごめんなさい…』
と頭を下げた次の瞬間、ガツン!というすごい衝撃に、目眩がした。
母の手には、すりこぎ棒が握られていた。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話