1961年7月5日 ヴァレホ警察署に「公園近くの停車している茶色い車を探せ。9ミリのルーガーでひよっこを2人殺した。去年も2人殺している。」と電話がかかってくる。警察はその場所で 茶色い車と 重症の男マイケル・マゴー・死亡した女性ダーレン・フェリンを発見する。マゴーは「駐車場で1台の車がライトを当ててきて、人が降りてきたかと思うと突然発砲した。 25〜30歳、ちじれた髪、丸顔 中背の太った男」と答えた。
8月1日 3社の新聞社に手紙が送られてきた。丸の上に十字があるゾディアックの印。手紙には殺害の詳細、暗号が書いてあり、”3社分の暗号をあわせれば犯人が誰だかわかる”と書かれていた。また 「この手紙を公開しないと10人以上は殺害する。」と脅迫していた。
暗号の一部
「オレハ人間ヲコロスノガ好キダスゴク面白イ森デ野生ノ動物ヲコロスヨリズット面白イ人間ガイチバンキケンナ動物ダカラダ
ダレカ殺スノガ一番ゾクゾクスル経験ダ女ノ子トヤルヨリズットイイイチバンイイコトハオレガ死ンデパラダイズデ生マレカワッタトキオレガコロシタニンゲンヲゼンブ奴隷ニデキルコトダオレハ名前ナンカオシエナイオマエタチガジャマシテオレノ死後ノ奴隷ノ
カズヲヘラソウトスルカラダ」 句読点のない読みにくい文だがこのような内容だった。
各紙で公開すると同時にかなりの反響があったが、犯人への手掛かりは見つからなかった。
9月27日ナパ警察署に「ベリエッサ湖の岸辺で2人を殺した」と連絡がある。現場に向かうと、血だらけの男女が倒れていた。
近くの車の中にゾディアックのマーク付きのメモ紙が見つかった。生き残った男性は、図のような男が現れて何度も刺して来たと話した。
漫画家 ロバート・グレイスミス作
10月11日サンフランシスコのノッブ・ヒルでタクシー運転手の後頭部を撃つ。銃は9ミリのルーガー。運転手のシャツの一部を切り裂いていた。翌日、クロニクル紙にゾディアックより血の付いたシャツの切れ端と手紙が届く。警察を叱咤し、”今度は小学生のスクールバスを狙う”といった内容だった。
10月21日オークランド警察署に電話が入り「朝のTVのトークショーに出演したい。優秀な弁護士(実名を挙げる)をつけてくれるなら自首しても良い」と言って来た。早速時間をとり、弁護士も用意し電話を待った。少年のような声でゾディアックを名乗る電話がかかり、自分が抱える問題を弁護士に相談し、後に会う約束もしたが、結局彼は姿を現さなかった。2ヶ月後この弁護士にシャツの切れ端と手紙が送られてきた「8人殺しているが、近々9人目を殺す」という内容だった。筆跡はゾディアックのものと確認。
1971年3月ロスのタイムズ紙に手紙が送られてくる。○十字の署名と17+の符号があった。
1974年 サンフランシスコ警察に同じ筆跡で手紙が届く。その手紙には「37人殺した。すさましいことをやらかす」と書かれていた。
これを最後にゾディアックは忽然と姿を消す。
番外編
この事件は 映画「ダーティーハリー」(1971年 アメリカ マルパソ・カンパニー)
のモデルとされていた。自己顕示欲が強いと思われる犯人は自分が主人公とされるこの映画を観に
くるに違いないと アンケート用紙を用意し 投入箱の中に 警察官が潜んでいたという。 当時 警察の切羽詰った状況が伺える。
参考図書:現代殺人百科/コリン・ウィルソン
怖い話投稿:ホラーテラー とくめいさん
作者怖話