11月最終日。上空・・・機内では、一名の若者が期待と不安を胸に窓から見える景色を眺める・・・
P(どんな人達なんだろうな・・・いい人だとは思うが・・・とりあえず会ってからだな?)
!?!?
機内アナウンス『悪天候のため、到着時間に・・・・・・・・・』
機体がグラつく・・・
Pさんは少し不安になった。過去に数回飛行機に乗っていた経験からこの程度の事で墜落しない事は知っていた・・・不安の原因は初対面の人を待たせてしまうこと・・・
同日夕方。飛行機は到着時間が少し遅れたものの、着陸成功だ。
空港内を歩くPさんは、携帯電話を取り出す・・・新着メールあり!
P(しまった!!とりあえず電話しないと!)
通話・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Pさんが空港内を早足で移動する、入口付近で辺りをキョロキョロと見回す。
!!!
P(発見!Jさんだ!!やっぱり現地に住む人は寒さに慣れているんだなぁ。俺なんか・・・)
Jさんに駆け寄るPさん。初対面同士の挨拶は、Jさんからだった・・・
J『はじめまして!になるのかな?北海道へようこそ!!』
P『すいません。待たせてしまって。あっ!はじめましてPです!』
J『色々と話したい事はありますが、後で・・・とりあえず行きましょうか?』
P『はい!よろしくお願いします!!』
PさんはJさんからヘルメットを受け取る。Jさんのバイクに乗り、二人は市街地へ向かった。
人が賑わう繁華街・・・二人は待ち合わせ場所に到着すると目をキョロキョロ。
!!!
近くに携帯をしきりに気にする若者発見!
Pさんは近付き声をかける・・・
P『すみません、Aさんですか?』
A『もしかして、Pさん?まじで?はじめまして、Aです。』
J『私はJです!はじめまして?じゃないかもしれませんね!!道内ですれ違っているかも!』
P(Aさん、Jさん・・・優しそうな人でよかった。一安心。)
立ち話でしばし盛り上がる三人。外で話すのもアレだから・・・という事で三人は近くの飲食店へ。店内ではぎこちなさはあるも、三人が楽しそうに会話を繰り広げる。
【ここで軽い人物紹介を】
A・・・北海道在住。好きなものはお祭り騒ぎ?たまに毒舌だが、それ以上の優しさアリ。霊感はほぼ0に近い。
J・・・北海道在住。好きなものはバイク。少し慌てものの、気さくな人。霊感はかなりある?未知数である。
P・・・福岡在住。好きなものはウサギ。変な事にワクワクする人。霊感は少しある?過去に・・・
【三人の接点】
ホラーサイトの閲覧者。三人とも怖い話好き。サイト内で活字の会話を行う関係。顔も知らない他人同士。
【事の発端】
Pさんの書き込み
『今度誰か一緒に心霊スポット行ってみない?』
参加を募った書き込みに興味を持ってくれたのが、AさんとJさんだった。Pさんの安易な提案が後に・・・
話を戻す。三人は二時間ほど談笑した後、本題へ。
P『北海道って私は初めてなんですけど、心霊スポットってどうなんですか?』
A『ありますよ!!』
J『噂は色々と・・・』
P『では、明日は心霊スポットに行くのをやめて、水曜どうでしょう?』
AとJ『・・・・・・・・・・・・』
P『そっ!それでは、心霊スポット探索の一ヶ所目はAさんのオススメ心霊スポット、二ヶ所目はJさんのオススメ心霊スポットへ行きましょうか!?』
Pさんは必死に笑顔を意識するも、表情は明らかにひきつって・・・
A『いいですね!』
J『賛成です!』
P『それでは、今日はこの辺で・・・明日は何時集合にしますか?』
A『Pさん、今日はどうするの?泊まる所は?』
J『大丈夫ですか?』
P『大丈夫ですよ!ホテル予約済みですから♪そろそろ出ましょうか?』
店外へ。三人は明日の夜に繁華街で再会する事を約束して別れた。
Pさんは一人見知らぬ土地を探索し、インターネットカフェに宿泊・・・帰りの交通費は残しているが、ホテルなど予約できる贅沢金は持っていなかった・・・
Pさんはネカフェでホラーサイトを閲覧する。そして、北海道の心霊スポットを検索・・・
調べていると、背中に妙な気配・・・
P(気のせいか?北海道だから寒いんだな・・・疲れたし、今日は寝るか・・・)
翌朝。Pさんはネカフェで寝たからか、肩に少し違和感があったけど、観光を集合時間まで楽しんだ。
日は沈み、街灯が景色を華やかに・・・三人は再会した。
そして、Pさんにとって忘れられない夜が始まる・・・・・
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とある地方にある、江戸時代より続く豪農の一族M家。山の麓からは清らかな水が湧き、広大で肥沃な土地は、M家に莫大な富と権力をもたらし、多くの小作人を抱え繁栄したという。
富は富を生み、欲はさらなる欲を生み、器量を超えた欲望は人間を愚かにする。小作人達を牛馬のように扱い、彼らの汗を、血を、死肉をも富に換え、ひたすら肥え太る一族。
この頃からである。M家の長男が夭逝するようになったのは。
M家の長男は二十歳を迎えると必ず死ぬ。ある者は事故、ある者は他殺、ある者は自殺。共通点は遺体が消える事。
一族を滅ぼせば終わるであろう事が、あえて血筋を残す事で、未来永劫の贖罪を求めているのか。
明治時代の農地解放後、衰退の一途をたどるM家だが、忌まわしい現象から解放される事はなかった。
その血筋と共に・・・
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待ち合わせ場所のススキノ某所に集合した三人。
福岡からきたPは、見るからに暖かそうなファーの着いたダウンジャケット、Aは皮のハーフコート、Jは皮ジャンに皮のパンツ、小脇に抱えているのは、ゴーグルを装着した耳当て付きの半キャップ。前日の計画ではAの車で移動するはずだが・・・
J『今日は思ったよりも暖かいんで、バイクで行こうかなと思って・・・』
顔を見合わせるPとA。
J『Pさんは今日も俺と二ケツで行きます?』
昨日、Jのバイク後ろで体験した厳寒の地獄を思いだし、全力で首を横にふるP。
この時期の北海道のバイク乗りは、まずバイクに乗らない。ほんの少しの冷え込みが路面を凍らせ、雪をもたらす。ましてや夜間など・・・
J『そうですか・・・。あっ!腹減ってませんか。近くに美味いラーメン屋があるんで、そこで腹拵えしてから出発しましょう』
異論のない二人は、既に歩き出したJの後を追う。
繁華街から五分程歩いた場所にある、古びた感じの一件のラーメン屋。慣れた感じで暖簾をくぐるJ。
J『おじさん、こんばんは』
店主『いらっしゃい。久しぶりだねJさん』
外見に反して活気溢れる店内。空いていた奥の四人掛けの席に座る三人。
J『おじさん、味噌豚骨三つ』
店主『はい、味噌豚骨三つ!?・・・三つでいいのかい?んっ・・・あれっ?気のせいか』
顔を見合わせる三人。
A『もしかして、四人目が見えたんですかね。心霊スポット探検に相応しい出だしですね』
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話
【二】→story6061