双子の兄 匂いと臭い 付け足しと後書き

中編7
  • 表示切替
  • 使い方

双子の兄 匂いと臭い 付け足しと後書き

みなさ~ん、覚えてくれてますか~♪これで本当に最後の最後です。ここまで駄文に付き合って下さった方々、もう、涙、涙です。生まれて初めて、他人に読んでもらう為の文章を書きました(汗)誤字脱字多いと思うけど許してね。(自縛霊はひどかったなあ~泣)

では前回の続き

「身体鍛えとかないと魂追い出されるって言ったろ?」

「俺、Tに、文字通り叩き起こされたんだけど・・・・その時、どこにいたと思う?」

??

「実は俺その時、下手すりゃ死んでるんだ」

???

「Tに起こされた場所、俺が気絶した所なんだ。一歩も動いてないんだなこれが」

「どういうこと?」

「幽体離脱って聞いたことあるだろ?」

「最近俺も、ホラーにハマってるからな(笑)」

「多分あの時、多くの霊が残していった負の念に乗っ取られたんだな俺の身体」

(まじ?)

「そこに霊の存在が無いというのに・・・・・念というのは凄いな。生きてるんだよ。他人を呪ったりすることがいかに恐いことなのかが良く分かったよ」

・・・・・・・

「普通なら俺、確実に死んでる。魂追い出されたんだからな。もし戻れたにしても多分発狂してるわ。気絶してしばらく意識を失った。まさに人が死んだ時の状態をそのまま体験したんだ。抜け殻同然の俺の身体、守ってくれたのはおそらく」

「親父に憑いてる犬顔の男か?(笑)」

「(笑)まあ、そうだけど・・・・狐の面だな、ありゃあ。おそらく昔、神主か何か、神社に関わりのあった霊なんじゃないかと思う」

「兄貴、霊感あるんだから聞いてみりゃいいじゃん」

「やだね、何となく苦手なんだ・・・・お前も見えたら多分そう思うわ(笑)」

「(笑)一度見てみたい」

「だけど、こんなこと言っちゃあ本当はまずいんだろうけど、あの時、あのまま死んでても良かったかな、って時々思うんだ。死ぬこと自体は決して恐いことじゃないって分かったしな」

「Tに起こされた後、ペンライト持って畠があった場所に行ったんだ。頭がぼーっとして、何かに憑かれてる感じだった。肩が重いし、ホント、人間の念ってやつは馬鹿にならんわ」

・・・・・・・

「確かに花は咲いてた。でも、綺麗じゃない・・・・咲き乱れてるっていう感じじゃないんだ。それに、匂いもそんなにしないんだ。感激して泣いた程の匂いが。空に立ち昇ってた筈の美しいオーラも見えない」

「神社から離れてライト当ててみたけど、いつもの俺なら地獄の傍らに天国が存在しているなんて、気付きもしなかっただろうな」

・・・・・・・

「肉体を離れて幽体になると、感覚が人間の時より、遥かに鋭敏になるんだなきっと。人が霊体になった時、本当ならすぐに天国の匂いに気付く筈なんだよ」

(また天国の匂いかよ・・・)

「俺、何か具合悪いし、前と同じように畠に寝転がって花の匂いを嗅いだんだ」

・・・・・・・

「一瞬だった。一瞬で気分爽快さ。邪念をそのまま天国のオーラに触れさせようとしても無理だけど、人間に憑依している状態なら、花の匂い、天国の匂いを嗅がせることができるんだって、俺にとって、すごく嬉しい発見だった」

「あの少女の霊を俺の身体に取り込むことができたら、天国の匂いを嗅がせてあげられるかも知れない、って思ってんだ。あの娘を地獄から救えるかも知れないんだ」

!!

「おそらくこの世にはパワースポットなんてたくさんある。気付かないだけで。清らかな世界に旅立った霊たちは地上にその跡を残すんだ。この世とあの世の架け橋になってるんだな」

・・・・・・・

「今まで天国に旅立った霊は数え切れない程いる。これは想像だけど、一旦地獄に堕ちて散々苦しんだ霊ほど、地上に残したパワースポットは強力だと思うんだ。多分あの山で亡くなった人も一度は地獄のどん底でのたうち回ったんじゃないかな。人間だってずっと幸せな人って不幸な人を助けようなんて気起きないだろ?」

・・・・・・・

「じゃあ人間はパワースポット見つけないと天国の匂いを嗅げないのかっていうとそんなことはない。地上には花が咲いてる。ありがたいことに人間って、生きてる内に天国の匂いを嗅げるようになってるんだ」

・・・・・・・

「日本なんか特に、天国の匂いで溢れてる筈なんだけど、未練や恨みで霊体がくもってると、その匂いに気付かないんだな。勿体ないよ見てて」

「じゃあ、棺桶に花入れたり、事故現場に花束供えるのはもう遅すぎるって事か?」

「遅いなあ、亡くなってからじゃあ」

・・・・・・・

「出来れば生きている間に花の匂いを嗅ぐ習慣を付けておいた方がいいんだ。病気で寝たきりの人がいたら、花をなるべくその人に近づけて、いい匂いを嗅がせてあげたいね。そうしたら亡くなった時、天国の匂いに気付くのが格段に早くなる。亡くなってからじゃ、思いが霊体に染み付いているから、それが邪魔をして、天国の匂いに気付くのが凄く遅くなるんだ」

・・・・・・・

「海で亡くなった霊が成仏しづらいのは、潮の香りが天国の匂いを嗅ぎにくくしてることも要因としてあると思う。だけど、霊体そのものが天国の匂いに反応するっていう性質がある限り、いつかは成仏できるんだろうな、って今は思ってるけどね・・・・」

「生きている内に花の匂いを嗅ぐ癖を付けてたら、海で死んでも大丈夫なのか?」

「その通り!人間いつ死ぬか誰にも分からない。俺だって明日末期がんを宣告されるかも知れん。人の生き死になんて俺なんかが口出せるもんじゃない。霊の世界というのは思いそのもの。死んだ場所が例え何の匂いもしない宇宙空間だったとしても、生前嗅いだ花の匂いを思い出すことができれば、霊体が勝手に天国へ連れて行ってくれる。お前が信じようと信じまいと俺はそう確信してるんだ」

ここで一言断っておきたいんだけど、俺はただ、兄の言葉を伝えてるだけで、100%兄の話を信じているわけじゃないんだ。

それと、宗教とは全く無縁の話だということを強く言っておきたい。

では続けます

兄は言う。

「出産は、花の匂いで満たされた部屋で行うのが望ましい」

というのも、病院は性質の良くない霊が多く、憑依される危険性が極めて高いかららしいんだ。

花の匂いは悪霊を遠ざけてくれるし、生まれてくる赤ちゃんにとっても、いい匂いの中で生まれるのと生まれないのとでは雲泥の差があるんだとか。

それとよく胎教で、胎児にクラシック音楽を聴かせると良い、というのがあるが、兄は賛成しない。

クラシック音楽に寄ってくる悪霊は結構多いらしいんだな(笑)。

兄のおススメは

花屋に行って自分の好きな匂いのする花を一輪買う。

寝る前にその花の匂いを嗅いで、頭の中でイメージを膨らませるんだ。

一面花が咲き乱れている丘に寝転がって、まだ見ぬわが子の小さい手を握り、その子に向けて

「わ~いい匂い!気持ちいいね~」

と語りかける。

寝る前の10分だけでいいそうだ。

それを毎日、出産の日まで続ける。

そうして生まれた子は、放っておいても穏やかな、優しい子に育つ可能性が非常に高いと兄は断言した。

そして、天国の匂いを嗅ぎわける臭覚が発達しているから、常に花の匂いを身にまとっているようなパートナーを見つけ出す確率も凄く高いらしい。

就寝前の10分間だけでも、今、自分は天国にいるんだ、と想像すること。

もちろん妊婦さんにだけ効果があるわけじゃなく、一般の人も是非やって欲しいという。

それを続けていると悪霊に憑依される心配は一切なくなり、万が一憑依されてもその霊を浄化させることができるようになるらしい。(浄化できないような性質の悪い霊はあなたに近づくことすら出来なくなるらしい)

いつも身の回りに花の匂いを漂わせてるような、そんな人になって欲しい。

兄はそう願ってやまない。

兄は自殺した少女の霊を救おうと今真剣に修業している。

俺はそんな兄が堪らなく好きだ。

兄は昨年、俺の運転する車の中で、ラジオから流れる中村中の友達の詩を初めて聴き、泣いたことがある(笑)

「この人、性同一障害なんだって」

と俺が教えると兄は

「そういう人って人生の一時期、自分の存在を全否定して、言い換えれば抹殺して、そこから立ち直った人が多いから、魂が天国に近い人が非常に多いんだ」

と言っていた。

霊界というものは人間社会の常識など全く通用しない所らしい。

知的障害のあるお子様とその子の御両親にも伝えたい兄の言葉があったんだけど、誤解を生むといけないのでここでは書きません。

最初は兄の言いたい事を箇条書きにして伝えようと思っていたんだけど、何か、宗教の勧誘みたいなものになってしまい、どういった経緯でそんな考えを持つに至ったかを書いている内に、こんなに長くなってしまいました。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとう!

そしてさようなら♪

怖い話投稿:ホラーテラー 双子の弟さん  

Concrete
コメント怖い
1
2
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

なかなかおもしろい話たち

返信