短編2
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私を狙うモノ④

読み終わったので友人を呼んで再び本堂に入ると、ご住職がいきなり友人に「あなたは以前に御本尊様とお経を酷く嘲笑して揶揄したことがあるでしょう!正直に答えなさい!!」と厳しい言葉をかけました。すると友人は私が今までに見たことない般若のような鋭い目つきで一切瞬きせずに一点を凝視したまま、黙って頷きました。顔つきが本当に別人に見えました。

更に、ご住職が「暴れたいが御本尊様の前で力も出せないでしょう!!暴れられるものなら暴れてみなさい!!」と言います。

友人は正座したまま拳を握り締め、体を震わせながら今に暴れ出してもおかしくない状態と気迫でした。

このような友人を見るのは初めてで緊張しました。

しかし寸前のところで我慢しているようなのでそのまま私は外へ連れて行きました。

するとまたいつもの友人に戻ります。

友人は本堂に入ると息苦しくなり、何故か理解できない怒りの感情がでてきて自分でも制御することができず、暴れようとするが体の自由を奪われたように自分の意志で動かすことが全く出来なかったと説明してくれました。

せっかく連れてきてもらったのにと謝る友人。

理由を聞いておくと言ってその日はそのまま友人は帰りました。

私は、ご住職に先程の一件について伺いました。友人には魔が憑いていると話されました。

私の憶測ですが昔から魔が差すという言葉があります。

例えば誰かと口げんかになったとき、後から我に返って冷静に考えると、普段の自分なら言わないようなことを口にしていたり、何故あんなに腹が立ったのだろうかと気づいたりしませんか?

もしそれが自分の体に憑いた魔の仕業だとしたら。

私は友人を通して改めてそうした存在がいると思えました。そして何故か幼少からのジンクスの謎を紐解く手掛かりの一つになるのではないかと思っています。

それから別の友人ですが、本人が何か気がかりなことがありお寺に行ってみたいと言うので連れて行く約束をしました。その前日の夜に寝ていると複数の男女のお経を読んでいる声が響きました。

すると夢に友人がでてきて「ごめん、お寺に行けなくなった」と私に話します。理由を尋ねると「親に話したら行くなと言われた」というところで目が覚めました。

すると本当に友人が行けなくなったと言ってきました。

→⑤

怖い話投稿:ホラーテラー エリアコードさん  

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