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中編6
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嫉妬から生まれたなにか

お久しぶりです。

今までの話で僕の地元がどのあたりか、わかった方もいらっしゃると思います。

地元のとある神社には丑の刻参りで有名な場所があるのですが、そこは普段は水の神が奉られており多くの参拝客の方々がこられます。

しかし深夜になると白装束に藁人形と五寸釘を持ち呪いの儀式を行われる有名な場所でもあるらしいです。

高校3年の時、先輩に連れられて深夜4人でその神社に向かった。

僕と同級生のAと先輩のBとC。

Bの運転で市内からその神社に向かった。

30〜40分程度でつくのだが、ある程度山の中にあるため免許とりたての先輩の荒い運転で僕とAは完全に酔っていた。

なんとか吐く前に到着。

B「そんな気分悪そうな顔してどーした?」

俺(…いやあなたの運転が…)

とは言えず

俺「俺気分悪いしちょっと休んでから行くわ」

A「俺も」

C「なんやお前ら根性ないねぇ」

実際夜の神社は気味が悪いのはあったのだが今まで行ってきたスポットに比べライトもついてるし、そこまで恐怖は感じなかったが車酔いがかなり効いていた。

B「もうちょい車、奥に止めるわ」と言い駐車場らしき所から少し離れた所に止めた。

パッと見るだけでは駐車場から車は見えない。一応誰かに注意されたり揉めたりするのが嫌らしく軽く隠したみたいだ。

「ほな」

と言ってBとCは林の消えて行った。

俺とAは

「B君の運転めっちゃ荒いよなぁ」

「吐くかと思った」

とかしゃべりながら後部席は窓が開かないため二人で運転席と助手席に座った。

窓を開け、山の美味しい空気を吸いながら煙草に火をつけダラダラしていたら、

ブーン…と原付きがガレージに止まった。

俺、A「…?」

目を凝らしてみると女。

何処にでもいそうな普通の女の人。

俺「一人で肝試しかな?」

A「お前こんな夜に物好きすぎるやろ。」

俺「ほな藁人形け?」

A「白装束ちゃうやん」

俺「ほなアイツなんやねん」

A「俺が知ってる訳ないやんけ」

そんな会話をしていると女は鞄を片手に林の中に消えて行った。

俺「B君とかヤバイんちゃう?」

A「やろな。まぁここ来たいって言い出したんB君やし、出くわしてむしろラッキーとか言うてそう。」

なんだかんだで冷静でいた僕らはそこから5分ほど談笑していたらB君とC君がダッシュで戻ってきた。

B「お前らはよエンジンかけろ!ヤバイヤバイ!」

C君も引き攣った表情で車に乗り込んできた。

B「はよ車だせ!」

俺「俺まだ仮免やし」

B「いいから早く!」

と言われ出そうとした時、林の方からさっきの女の人が飛び出してきた。

女「待って待って!そうゆうのじゃないの!待って!」

なにか様子が変なのはみな薄々気付いていた。

だがよく見ると手にはハンマーらしき物が握られていて止まる訳にはいかなかったが、C君が

「止めて。俺が話つけてくる。ハンマー持ってても女一人くらいやったらいける。」

などと言いだした。

いやいやいやいや!普通に逃げたらいいやん!

と思ったが一応車を止めた。

C君は女人の方に歩いて行き女の人も走るのをやめ歩いてきた。

ドキドキしながら3人で車から見ていると、手にはハンマーを持っているものの攻撃するわけでもなく話し合っていた。

C君が戻ってきて

「ここ道の真ん中やしとりあえずさっきの駐車場に戻ろか」と言い出した。

俺たちは訳もわからないまま、とりあえず駐車場に戻り女の人もこっちにきた。

そして女の人とCの話によると

女の人(ここからKとします)はとある人から呪われているという。それは元彼の彼女。

たまたま占いを受けた時に占い師さんに「あなたに生き霊がついてる」と言われたそうだ。

特徴を聞くと元彼の現在の彼女に似ている。

元彼に連絡をとり彼が現彼女に聞くと泣きながら答えたそうだ。

とある神社の近くの林の中の木にKの写真を貼った藁人形を打ち付けた。

嫉妬からそれを抑え切れなくなり噂で聞いた通販で買ったセットで行ったそうだ。

そしてまた例の占い師の所に行くと対処法を教えてくれたそうだ。

丑三つ時にその木に打ち付けられた藁人形の釘を抜き自分の写真を剥がし燃やす事。

それを一人でやる事。

この時僕らは心の中で「なるほど〜」と思った。

手に持っているハンマーは反対側に釘を抜く返しみたいなものがついていた。

釘を打つのではなく抜くために持ってきた物だそうだ。

その藁人形が打ち付けられた木を探している途中でBとCに出くわし、咄嗟に逃げたので誤解を解こうと追いかけた結果こうなったとか。

もう夜中の2時半を回っていた。

そのKは「行きはよかったが帰りは実は心細いのでできれば一緒に帰ってほしい」と言いだした。

よく見るとK、結構可愛くて余裕でみんなOKをだした。

だが釘を抜くのは一人でやらないといけないので俺らは待ってる事にした。

誰がKのバイクに乗り誰がKの隣に座るかで軽く口論になっている時、また一台のバイクが来た。

今日はやけに個人プレーが多いなぁとか話ていると…

また女の人だった。

その人は先に来てたKのバイクをじろじろ見ながら林に消えて行った。

みんなでジー…っと林の方を凝視してると

きゃぁぁぁぁ

悲鳴が聞こえた。

すると今度はKが半泣きになりながら走ってきた。

僕らはなんとなく嫌な予感がしたがまさに的中した。

後ろからさっきの女が追いかけてきてる。

一応生きてる人間だと思うんだけどすごい形相だった。

なぜKが追われてるのか何て冷静に判断する間もなくフリーズしてしまった。

とその瞬間BとCが車を飛び出しBが素早く女の足を払いCが抑えつけた。

Kは足から崩れ落ち泣いていた。

女の手には結構大きめのハンマーが握られてた。

Kはガクガク震えてたのだが何とか落ち着かせ女もやっと正気にもどった。

女はKの元彼の彼女。

なんとなく分かってた事だが(どんな展開やねん)一人で心の中でツッコミながら内心ワクワクしていた。

詳しく話を聞かないと状況が掴めないので聞いてみた。

Kが神社に行き藁人形を処分する事を聞いた女は罪悪感で胸がいっぱいだったが、町で一人の占い師に声をかけられた。

その占い師はすべてを見ていたかのように事を言い当て、最後に藁人形が処分されれば必ずあなたに返ってくる。

もしかしたら命を失うかもしれないと。

回避するには処分させない事。

そう言われ今までの事もすべて言い当てられた事もあり怖くなり止めようと思ったのだがバイクでここに向かう途中から記憶がないとの事。

その占い師の特徴を聞くとKが見てもらった人に似てると言う。

そんなバカな話があるかと思った瞬間

後ろから

「チッ…」

と舌打ちが聞こえた…。

振り返るとフードを深く被った背の低い老人?顔は見えなかったがそんな気がした。確かにそこに立っていたがスーっと消えた。

みんな見えたらしくその時背中に嫌な汗が流れた。

Kも女も小さな声で

「占い師さん…」

と呟いた。

その後、とりあえず藁人形を処分し、結局俺とAが二人のバイクに乗り家まで送った。女も「ごめんなさい…」と連呼し後悔してたようなのでKは許した。元彼と女は別れたみたいだがKと、なぜかCがくっついた。

後日CとKと会ったが、とくに何も問題はないみたいだった。

女も元彼と別れてからはどーなったか知らない。

結局占い師はなんだったのかわからず終いだった。

俺は女の嫉妬から生まれなにか

だと思う。

長文乱文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー To 011さん  

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