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中編3
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死のリング

これは二年前、自分が信じられない、理解できない体験を一回だけした事を投稿します。現在スタイリストをしていますが、今の職業に至るまでボーイズバーいわゆるホストをしていた時の体験です。

一人の先輩をA、もう一人の先輩をBといたします。

出勤前Bと俺はその日同伴がなかった為、ネクタイ買いに先輩Bと待ち合わせしていました。

B「おぅ! 待たせたな!悪い。」

俺とBはそのまま、某デパートへ向かいました。

買い物も順調よく進み、出勤まで時間があまった為、ファミレスで時間を持て余していました。

注文を頼み終え、Bが

B「最近客足よくて、忙しいよな~」

何げに、店の会話していると、俺の靴先にカチッと何かを踏んだような音がし、ふと下を見ると普通サイズ(17~19)ぐらいのシルバーリングが落ちていました。そくざに拾い、

俺「なんすか?これ?」

B「なんか珍しい模様入ってんじゃん。見せてみ!」そう言って先輩に渡すと、B「ブランドではなさそうだし…家紋か?数字も書いてるし。222。なんだ?」俺「落とし物っすか?」

B「知らね。」と言いつつ、ポケットへ。

その間に飯がきて、食べ終わり、レジで会計をしていると、一人のお婆さん(老人)が自分達が座っていた場所をキョロキョロ探していた。

俺がお婆さんのとこに行こうとすると、

B「行くぞ!車回せ!」

俺「あっ…了解っす」

店を出て、車内で先輩に、俺「なんか婆さんが俺が座ってたとこ探していたような感じだったんすよね…」B「気にするな!それより出勤間に合うか…」

それから、俺もBも婆さんの事は頭からすっかり離れ、店へ出勤。

ロッカールームで着替えていると、Bのジャケットから指輪が転げ落ちた。

A「なんだこの指輪?女からか(笑)?」

俺「ありえん(笑)」

B「A、やるよ!拾っただけだしな。」

A「マジかよ。」

そういって、指にあてはめていくA。

A「薬指か…女に勘違いされるわ!まいったな」

と言いながらも、開店前にはちゃっかり指輪をはめていた。開店から数時間後、Aの顔色が見る見る青白くなり、気持ち悪そうにトイレへ。

B「嘘だろ!もう酔ったか?」

俺「まだ三本っすよ…。」店内はシャンパンコ~ルで盛り上がっている最中、Aがフラフラトイレから出てきて、

A「わりぃ~気分悪すぎ…帰るわ」

お客さん「ありえないんだけど…最悪やわ」そう言われながらも、支配人に許可をもらい、店を出た。

俺とBは、閉店後、Aのマンションへ向かう事にした。Aのマンションへつき、ベルを鳴らすが出てこない。B「そうとうくたばってんな…開店前に出直すか…」俺「そうっすね!」

そう言ってAのマンションを後にした。

俺もBも自宅へつき、俺はシャツのままベッドへダイビング…吸い込まれるように眠りについた。

どんだけ寝ただろうか…そんな眠りの真っ最中、携帯がうるさく着信を鳴らす。酔いが覚めないまま、電話に出ると、Bだった。

B「A、死んだよ。信じられない本当に」

俺「なんでですか!本当ですか?」

B「今すぐ合流するぞ。俺のとこ来い」

俺は、涙を浮かべながらスーツも寝ていたそのままBの所へ急いだ。

合流し、Aのマンションへ向かうと、警察や救急車、野次馬、店の連中でごったがえしていた。

俺とBは支配人と一緒にマンションの中へ入ろうとしたその時、ファミレスで見た婆さんが野次馬に紛れてこっちを見ていた。

俺は全身に鳥肌がたち、中へBと一緒に入った。

Aの玄関先になんかキラキラ光る物に目を奪われ、Bと二人で顔見合せ見てみると、それは自分達がAにあげた指輪。

自殺てみなされ、警察の捜査はうちきりとなった。

二年前の2月22日。

指輪の数字は偶然なのか。俺は、何より野次馬の婆さんが今でも忘れられない。Aがなくなった後、俺とBは店を辞めました。

あの時指輪をはめなくてよかったと、俺とBは口を揃えて今でも言っています。この事件は、二年前の2月B日、六本木のマンション事件として、新聞にものりました。あの、指輪はどうなったのか、知る由もありません。

ご愛読ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 雫さん  

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