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訳のわからない日記(こぴぺ)

長編9
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訳のわからない日記(こぴぺ)

友人の話。

そいつはこの話を

「絶対に人に言うなよ」

の前提で教えてくれたが、俺に話すという事は『言っても良い』って事なんだなと解釈したので書き込みます。

その友人をAとする。

Aの友人にBという奴がいた、といっても2人が会ったのはつい数年前で、俺も2,3回会った事があるだけで、直接喋った事はなかった。

Bは、なんつーか『陰気』な雰囲気を持っていた。

そもそもこの話を聞いたのも『カイジ』という漫画に今出ているカジノの社長?の顔がそいつにそっくりで、その事を友人に電話したのがきっかけだった。

ある時期AはBと桃鉄が原因でちょっとした喧嘩をしてしまった。

それからしばらくは、なんとなく気まずくて会う事はなかったそうだ。

そんなある日、Bから電話がかかって来た。

「今から家に来ないか?」

と、Aは胸のつかえが取れたと喜んでそいつの家に行った。

ドアをノックして中に入ると真っ暗。

「こっちだ、こっち」

のBの声に誘われて部屋に入る。

その部屋も何本かのローソクの明かりのみ。

Aは

「どゆ事?」

と聞くと

「今停電してるんだよ。まあそこに座りなって」

ああそうかとAが座った瞬間

「ポンッ」

と周りの何本かのロウソクが音を立てて消えたそうだ。

「うわっ」

と驚くAの目の前でBがAめがけてロウソクを吹き消した。

次の瞬間、見えない何かが背中にズンと乗っかって来た後、グニュウといった感じで自分の中に入り込んで来た感触があった。

そんな感覚に驚きながらも

「危なねーな、テメーはよー」

ムッとしてAが言うとBは部屋の電気を点けてニヤニヤ笑いながら

「馬鹿じゃねーの?お前」

と態度が急変。

Aは

「はぁ?」

と聞くとBは

「今の儀式でお前に貧乏神がついたよ。いやあ、苦労したよ、こいつをこの部屋に連れて来てさあ、この部屋に閉じ込めるのは」

Aは急激に腹が立ってBをぶん殴った。

そして

「俺にいったい何をしたんだ!」

と怒鳴るとBは鼻血をだしながら

「言ったろうがよ!オメーに霊をとり憑かせたんだよ!オメーが土下座したら許してやんよ!オラ、さっさとしろクズが!」

と狂ったように叫ぶ。

「っの野郎・・!」

とまたAはBを殴った。

何度も、何度も。

しかしBの態度は変わらない。

Aは最後に近くにあったPS2を思いきりBに投げ付けて家に帰った。

その日から、夜中の3時近くになると頭痛と耳鳴り、そして気持ちが悪くなり何度も吐くといった日々が続く。

医者に行っても原因不明、薬を飲んでもまったく効かないそうだ。

Bの家に行っても誰もいない。

毎晩の吐き気で眠れないAは軽いノイローゼーになったらしい。

「その時書いた日記もさ、訳わかんねえんだよ」

と俺に言ったので、是非にとAの家で見せてもらった。

2ちゃんに書き込むネタ発見!と

「この日記帳少し貸してくれ」

とお願いしたのだが

「お前に貸したら何されるかわからん」

と固く断られた。

ならばとAが買い物に行っている隙に何ページかをスキャンして自分宛にメールで送信してやった。

日記帳には次のような事が書かれていた。

【○月○日 あたり(←天気を記載する場所に書かれていた)

今日からめんそ、げら、眠ることはやしけどそんあの ばかり だな。恒久の平和崇高ゆうこさんからせんべいさんえび。。。。 *****(読めない)あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あああがあああがっがああがああ?あ?むいりむりやっぱり「なあそうだったか」だらーうぜーくう*****】

【あかい月あかい日 やり

ないふそらからびばああばば、痛いいたいい、やりたいちんこむくむくぴんぽ、天井からひこうきりちゃくりく、いたい頭痛い、しにてえ怖いけどしにてえ、はらがあついまなみふぃなまふしとととととととと】

【きつ月山日 板色

たすけてみてるみてるみてるみてるみえい、あっ8たこそおかしくりはらえんが骨が出現みてない、むけてもむけてもだらだら流れりしてらんあい】

本当に訳わからん。

そして、このままじゃマズイと思ったAは友人Cに相談した。

Cの実家は結構有名な神社の息子で、霊感がある。

因みにその神社には名のあるミュージシャンなどが祈願にやって来るそうだ。

「電話じゃ何だから」

とCは直接Aに会った。

Aを見るなり

「ああ・・・嫌な感じがするな、お前」

とCは言った。

「どうすればいいのかな?」

Aが聞くとCは

「取り敢えず、そのBの家に案内してくれ」

そして2人はBの家に。

相変わらず人の気配はない。

郵便受けには広告や手紙がつまっている。

「んー・・・」

とCは唸った後に

「今から行くか」

と、CはAを自分の車に乗せた。

「どこに行くの?」

と聞くAに、Cはタオルを渡して

「それで目隠ししてくれ」

と言う。

「え?何で?」

「いいから俺を信じろって。助けてやるからさ。着いたら起こしてやるし、しばらく寝てろ」

とCが言ったので、じゃあそうするかとAはタオルで目隠しをして後ろの座席で横になった。

横になり目を閉じて車に乗っていると、なぜか子供の頃を思い出して懐かしい気分になった。

車は左右に曲がったり砂利の上を走ったり・・・

しばらくするとCは携帯で何所かに電話をしている。

「今から行くから。ああ・・・」

その内Aは妙な安心感からか眠ってしまった。

「おーい、着いたぞー」

その声でAは目覚めた。

反射的に目隠しを取ろうとするAをCは

「まだ取るなって!」

と、それを止めた。

そのまま立ったAは、何人かの人に腕を取られながら何所かへと連れて行かれた。

砂利の上を歩いているのが足の感触でわかった。

途中から靴を脱がされて建物の中に入って行く。

「久しぶり」

というCの声と

「ああ、この子か」

と低い誰かの声。

しばらく行くと

「着いたから座って」

とCに言われ、その場に座った。

床が冷たかった。

何かお香のような匂いがする。

が、妙に落ち着き、そしてなぜか泣きそうになる匂いだった。

「目隠し取るぞ」

とCが言ってタオルが外された。

暗い。

何本かのロウソク。

まるであの時のBの部屋のようだった。

上を見るとかなり高い天井から何本かのロープがぶら下がっている。

部屋の四隅にもロープやお札。

目が馴れず上手く見えないので目を細めてジッと見つめようとすると

「こんばんは」

と低い声。

見ると誰かが自分の前方に座っている。

見た目はヤクザ。

その人は立ち上がりAに近付いて

「そのまま」

とAの目を親指でアカンベーするように目の下の皮を引っ張った。

そしてAの目をジッと見た後

「可哀想になぁ。今迄つらかったろ。よく頑張ったな」

と優しく言った。

心身ともに疲れていたAはその言葉を聞いてボロボロと泣いてしまった。

「うん、それでいい。取り敢えず無理に泣き止もうとせんで力を抜いて感情に身をまかせりゃええでな」

とAが泣き止む迄ジッと待っていた。

Aが泣き止むと

「息子から大体の事は聞いたが、君の言葉でもう一度、その時の状況を事細かに教えてくれんかね?」

と言うので、Aはそれに答えた。

するとその人は

「やはりな。

お前さんに憑いとる霊はここにいてはいけない霊だでな。

それはなあ、いわゆる自縛霊というもので、本来は人でなく場所に憑く霊なんだよ。

だが君の友人があるやり方したもんで自縛霊を憑いていた場所から引き剥がして君の体を霊の憑く場所にしてしまったんだ。

今から引き剥がすで、力抜いてそのままでな」

と、Aの後ろに回って砂のようなものを首に擦り付けた。

その後お経のようなものを唱えながら

「シャンシャン」

と鈴のようなものを鳴らし始めた。

Aの体は一定の感覚でブルルッ、ブルルッ、と震えたそうだ。

そのうち頭がクラクラし、意識がもうろうとする。

最後に体が立ち上がる程ブルルルッと震え、何かが自分の体から抜けていった。

その後そのまま車に乗せられて帰る事に。

頭はボーッとしたままだ。

だが今度は目隠しは無し。

「悪かったな、目隠ししちまって。あーゆーのはさ、場所とかの先入観ない方が成功しやすいからさ」

と遠くで聞こえるCの声を聞きながらAは眠ってしまった。

気が付くと家の前。

Cに起こされ目が覚めた。

外はすっかり夜になっている。

Cは

「今日は俺が一緒に泊まるよ」

とデカイ荷物と共にAの家に上がり込んだ。

そして家の中をウロウロした後、Aの家の見取り図を紙に書いて

「FAXある?」

と聞いたので

「無い」

と答えると

「それじゃあ」

とCはコンビニへ行きFAXをした。

AはCに

「何が始まるの?俺はもう大丈夫なんだよね?」

と聞くと、Cは

「まだ終わってないよ。そのうち引き剥がされた霊がお前の所に戻って来る可能性がある。これからその対策をするんだ」

と答える。

するとCの携帯が鳴った。

どうやらCの父かららしい。

CはAの家の見取り図を見ながら

「うん・・・そう、そっちが北ね。ああ、やっぱりこのルートね」

と、ひとしきり喋った後、電話を切り

「今から帰って来る霊を追い返す処置をするから手伝ってくれ。あ・・・鏡が無いや。Aの家って全身が映る鏡ある?」

「いや、無いよ」

「じゃ、買いに行くぞ」

そして近くの店で全身が映る姿見を買い家に帰ると、Aの家の見取り図を見せて

「お前の家のここ、ここが霊道になってるのよ。霊道ってのはさ、もしお前の家に霊がやって来るとすんだろ?その場合霊が通る場所ってのがあるんだよ。それが霊道ね。今からその道に障害物とかを置いて通行止めにするんだよ」

どうやらA宅の霊道は玄関から入り、真直ぐ廊下を突き抜けて外に出るルートらしい。

「最良のルートだ」

とCは言った。

そして持って来た荷物の中から色々取り出して廊下の端に祭壇の様なものと日本酒の入ったコップ、そして廊下を塞ぐような形で姿見を置いた。

何でもこうする事により玄関から入って来た霊が鏡に映った自分を見て死んでいる事を気付かせる。

また鏡には色んなものを反射する力があるので、鏡にぶつかった霊は跳ね返されて戻って行ってしまうらしい。

「これを何日か続ければ霊は消えるか他の場所に行ってしまう」

とCは言う。

その夜、Cは色んな事を教えてくれた。

Aを連れて行った場所がCの実家、Aの除霊をしてくれたのがCの父であった事、Bの家は安易な行動の為に関係ない霊までが集まってしまっているのだが、恐らく間違った結界を張ってしまった為に霊達があの場所から出るに出れない状況、それに耐えられずBはあの家にいられなくなったか、または死んでいるだろうと。

結局その夜は何も起らなかった。

Aは久しぶりにまともに眠れた。

次の日、Aにお礼を言われたCはそのまま仕事に行き、Aはバイトに行った。

その際CはいくつかAに注意をしていった。

「日本酒は毎日取り替える事。

鏡は出来れば動かさない事。特に夜は絶対にあの場所に置いておく事。

出来れば塩も盛っておく事」

等。

その事をAはキチンと守った。

そして何日か後の夜、Aはある物音で目が覚めた。

耳をすまして聞くと

「ミシッ、ミシッ」

と何者かが廊下を歩いている。

『帰って来やがった!』

そう思いジッとしていると

「ガン、ガシャーン!」

と何かが落ちる音が!

「うわー」

と震えていると何時の間にか物音は消えてしまった。

朝、廊下に出てみると廊下の脇に置いてある洗濯機の上に置いてあった物が廊下に散らばっていた。

その日、AとCはファミレスで会う。

Aが昨晩の事を話すと

「ああ、そりゃあ、霊の奴がムシャクシャしてやったんだよ」

Cは笑いながら言った。

Aが

「やな霊だな、オイ」

「ま、そんだけ効果があるって事だからね。出来るだけ廊下付近には余計な物置かないこった」

とCは言って帰っていった。

さっそく廊下付近の物を無くし、廊下を歩く音にも馴れ、朝起きて夜ぐっすり眠るという普通の生活を取り戻し、ついに霊は現れなくなった。

CもAの家に来て

「これならもう大丈夫。御苦労様でした」

と事件の終わりを告げた。

しかし、こうなると気掛かりなのはBの行方。

Cに聞いても

「別に知ったこっちゃねぇんじゃね?まあ死んだ所で自業自得だしな」

と、全然気にしていない。

まあ、CとBは直接会った事もないのでそんなもんなんだろう。

数日後、AとBの共通の友人DからBの事を聞いた。

Cの言う通りBはあの後すぐ実家に帰って、そこで暮らしていたそうだ。

その数日後の夜、2階の部屋で寝ていたBをBの父が包丁でメッタ突きにして殺してしまったそうだ。

その後、父は2階から飛び降りて骨を骨折。

しかもその時の事は覚えてないらしい。

ただ奥さんの話だと、その夜は何か父の様子がおかしかったそうだ。

「この世の者ではない者に腕を舐められた」

と訳のわからん事を言っていたそうだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 暇な人さん  

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