短編2
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二人乗り

夜中Aは仕事が終わり原付で家へ帰った。

街灯がポツーン、ポツーンとあるぐらいでコンビニも何もない道を走っていた。

「そこのスクーター、止ってください」

拡声器を用いて発せられた声にAは気づきバイクを停止させた。辺りはパトカーや白バイが数台あった。

近づいてきたのは警察官であった。

警察官「今検問中なのですが、あなたは二人乗りしていましたね?免許証をお願いします。」

A「はいはい免許証ね・・え?二人乗り?俺一人ですけれど、」

警察官「誤魔化さない方が身のためですよ。しかも後ろの女性はヘルメットしていませんでしたよ。その女性は・・・あれ?どこいった」

A「寝ぼけているのと違いますか?」

警察官「す、すいません。どうやら勘違いだったようで・・・」

A「は、はあ・・・」

結局Aは違反切符も切られず、帰ろうとバイクのエンジンを付けその場を去った。その際Aは後ろを見ると、警察官の不思議がっている顔が見えた。

家が見えてきた。早く帰りたかったのでスロットルを全開にし、スピードを上げた。

その時、両方のブレーキレバーが独りでにかかり、スピンして転んでしまった。

A「いてぇ。なんで?ブレーキは握ってないのに?むしろスロットル広げてたぜ?」

すると一人の男が近づいてきた。どうやら対向車線を走っていた車のドライバーのようだ。車を止め、こちらの様子を見にきた。

男「あんたら何してんですか?」

A「こっちが訊きたいっすよ。ひとりでにブレーキがかかって。」

男「そりゃそうですよ。」

男「後ろの女性が両手をのばして、ブレーキレバーをめいいっぱい握っていたから…」

怖い話投稿:ホラーテラー miyocoさん  

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