夜中Aは仕事が終わり原付で家へ帰った。
街灯がポツーン、ポツーンとあるぐらいでコンビニも何もない道を走っていた。
「そこのスクーター、止ってください」
拡声器を用いて発せられた声にAは気づきバイクを停止させた。辺りはパトカーや白バイが数台あった。
近づいてきたのは警察官であった。
警察官「今検問中なのですが、あなたは二人乗りしていましたね?免許証をお願いします。」
A「はいはい免許証ね・・え?二人乗り?俺一人ですけれど、」
警察官「誤魔化さない方が身のためですよ。しかも後ろの女性はヘルメットしていませんでしたよ。その女性は・・・あれ?どこいった」
A「寝ぼけているのと違いますか?」
警察官「す、すいません。どうやら勘違いだったようで・・・」
A「は、はあ・・・」
結局Aは違反切符も切られず、帰ろうとバイクのエンジンを付けその場を去った。その際Aは後ろを見ると、警察官の不思議がっている顔が見えた。
家が見えてきた。早く帰りたかったのでスロットルを全開にし、スピードを上げた。
その時、両方のブレーキレバーが独りでにかかり、スピンして転んでしまった。
A「いてぇ。なんで?ブレーキは握ってないのに?むしろスロットル広げてたぜ?」
すると一人の男が近づいてきた。どうやら対向車線を走っていた車のドライバーのようだ。車を止め、こちらの様子を見にきた。
男「あんたら何してんですか?」
A「こっちが訊きたいっすよ。ひとりでにブレーキがかかって。」
男「そりゃそうですよ。」
男「後ろの女性が両手をのばして、ブレーキレバーをめいいっぱい握っていたから…」
怖い話投稿:ホラーテラー miyocoさん
作者怖話