これは今年の四月ごろの話。
姪はその頃、一才九ヶ月でバイバイと手を振るのを覚えたばかりでした。
出かけるときは「バイバイ」と手を振り。
犬や猫にも「バイバイ」をしていた。
ある日の夕方、姪と散歩に出かけたのです。
自分「あっニャーがいるよ。バイバイして」
姪「バィッバーィ」手を振りました。
それから少し歩いていて急に…
姪「バィッバーィ」
誰もいません。動物もいません。
自分「?……どこにバイバイしてんの?誰かいた?」
姪はバイバイした方を指さしました。
やはり誰もいません。動物もいません。
次の日に同じ道を散歩したら、昨日と同じ場所に向かって「バイバイ」していました。
昨日もそうでしたが、ふつうに手を振るだけのバイバイではなくて、頭を片手の指でツンツンとつついてから、手を振りバイバイをしていました。意味の分からない行動でした。
自分「誰かいるの?」
姪はうなずきました。
自分「どこにいるの?」
同じ場所を指さしました。
その時になって気づいたのですが、姪のみていた所に小さな鳥居があったのです。
「ああ、こいうとこって霊とか集まるのかな?」って思いました。
また数日たって散歩したら例の場所に「バイバイ」しました。
自分「また誰かいるんだな。どこにいるの?」
姪「んっ!」
鳥居に指は指しませんでした。
いつもと90°ちがう方向に指を。
僕の目の前に指をさしました。
気味が悪くなりその日はすぐに家に帰りました。
次の日から不可解なバイバイはしなくなり、誰かいるのかと姪に聞くと、首を振りました。
姪は何を見ていて、見ていたモノはどこへ行ったのだろう………。
怖い話投稿:ホラーテラー 闇の雨さん
作者怖話