いつもと変わらぬ朝だった。
TVのニュースを見ながら朝食と歯磨きをすませ、スーツに着替えてから、7:15から始まる天気予報を確認する。
『続いて、天気予報です。………ガガガ…ギギ……』
んっ?放送事故か?
背景の画面が暗くなり、天気予報士の顔が渦をまいたように歪む。
『今日のあなたの死ぬ確率は5%でしょう』
何っ?
画面が元にもどった。
なんだったんだ?今のは?
その日の通勤途中、前を走っていた車が横転事故を起こした。
偶然だろう。天気予報だって、よく外れるしな。
『本日は晴れ時々曇り、ところにより、人。あなたの死ぬ確率は10%でしょう。』
人?さすがに人は降らないだろう…、まさか…。
ビルの入り口の自動ドアが開いた瞬間、
ダァァァァァン!!!
背後で音がした。
やはり飛び降りだった。
偶然にもほどがある。
さすがに背筋が凍りついた。
『銃警報。あなたの死ぬ確率は30%でしょう』
今日は重要な会議と接待ゴルフだ。休むわけにはいかぬ。
猟銃を持った男がゴルフ場で逮捕された。
毎日、確率が上がっていく。
奇跡的にまだ生きてはいるが、運命とはこういうものなのか?
逆らうことはできないのか?
そして…
『週間天気予報です。週末、核が降るでしょう。あなたの死ぬ確率は99%です』
これはもう、私自身だけの問題ではない。
不老不死でないかぎり、毎日0%なんて人間はいないだろう。
しかし、確率なんぞで人生を決められてたまるか!
絶対にあがいてみせる!
5日後……。
もう、あの不気味な天気予報は流れていなかった。
私は新聞を見ながら、ニヤリと笑った。
『永久平和条約結ばれる』
私は大統領として当然のことをしたまでだ。
世界が平和でありますように……
怖い話投稿:ホラーテラー ソウさん
作者怖話