短編2
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家内の日記

家内は二年前病魔に倒れ、この世を去りました。

家内は日記を付けることを日課にしていた。

そんな家内の日記など気にもかけず、半分興味なしの状態だった。

しかし家内が病魔に倒れ、入院をした。

会社の帰りには必ず家内のところに寄って帰る日々。

家内のいない家の中。

私たち二人には子供もおらず、一人暮らしには少し広い借家に1人。

家内に任せきりだった家事をこなし、改めて家内の家事大変さや、偉大さに気づかされる日々だった。

入院をして一年が経とうとした頃、家内の病態が急変し、そのまま息を引き取った。

私は家内の死を受け入れられずにいた。

毎日ふさぎ込んでは泣いていました。

ようやく落ち着きを取り戻し、家内の遺品を整理してた時のこと。

家内が日課にしていた日記が出てきた。

私は亡き家内の思い出を掘り返すかのように読み始めた。

「6月12日 晴れ

今日夫は元気がない。

会社でなにかあったの?頑張って。私はいつも貴方を応援してます。」

家内の書き綴った一文一文が心に刺さるようで、涙をこらえて読むことができず、日記に涙が何粒も落ちた。

「9月2日 くもり

私が入院して、もう2ヶ月。私はこのまま死んでしまうのだろうか。

私は夫に子供も残してやれず、夫を一人残して死んでしまうのだろうか。私は夫と結婚できて本当に幸せでした…だけど夫一人を残して逝ってしまうのかと思うと悔やみきれず胸が苦しい。ホントにごめんなさい。」

そのページはかなりシワクチャで文字がにじんでいた。きっと涙で濡れたんだろう。

私もそこに自分の涙を足しながら、家内の日記を読み返した。

そして読み終えた私に、不思議なことが起こった。泣き続け、震えた私の肩を誰かに抱きしめられた気がした。

そしてその温もりはどこか懐かしく、優しかった。

きっと家内がこんな弱気な私に勇気をくれたんだと思いました。

私は家内を失った今も独り身ですが、けして寂しくはないです。

私は今も家内の大きな愛に包まれています。

長文すみません。

ここまで読んでくれた方ありがとうごさいました。

怖い話投稿:ホラーテラー ハルさん  

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